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バンコク旅日記
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タイランド


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8月18日(土)
 今日も早起きをして朝食を済ませ、ロビーで迎えの人を探す。待っていたのは日本語はおろか、英語もほとんど話せない男の人だった。そして駐車場に行くと白いバンが停めてあり、同じくほとんど英語が話せない女の人がいた。何だかちょっと心配だけど、とにかく出発〜!・・・それにしてもこの2人、一体どんな関係なんだろう?運転しながらいちゃいちゃ、いちゃいちゃ・・・。な、何なんだ・・・。運転してるのに肩に寄りかかったり、膝枕したり、妙に甲高い甘えた声で、にゃ〜にゃ〜(私にはそうとしか聞こえなかった。)言っている。何だかどうしていいか分からず、自分がルームミラーに写らないように姿勢を低くしてしまった。怖いよ〜。

 1時間ちょっとくらいで、ダムヌン・サドゥアク・水上マーケットに到着。ほとんどタイ語しか話せない彼らは、ほとんど言葉を発することなく、「着いたよ。」という感じで振り返り、車を降りドアを開けてくれた。そして、「ここまで待ってるから。」という仕草をされ、近づいてきたおばちゃんを指差して、「この人からチケットを買って。」というような事を言っている。思わず唖然。チケットを買う?全部含まれてるんじゃないの?でも確かに、「水上マーケットに行きたい。」とは言ったが、「そこで船にも乗りたい。」とは言わなかった。でも普通、ここまで来て乗らないわけがないんだけど・・・。かなり納得できなかったが、「船に乗りたい。」と言わなかった事もあり、とりあえずここは様子を見る事にした。そして、おばちゃんが言う船の値段がガイドブックに書いてあるよりも高かったため他の船を探し始めたら、慌てて値段を下げてきた。それにしても、何だかイヤな予感がする・・・。

 かなり不満だったが、せっかく来たのだから水上マーケットを心から楽しむ事にする。船を漕いでくれるのは若い女の人で、私たちが乗り込むとゆっくりと進み出した。狭い水路に何艘もの船がひしめき合い、お互いがぶつからない様にうまくよけながら進んで行く。水路の両脇には色々なお店が連なり、とにかく賑やかだ。船はお店の前で少しずつ停まり、そこでお店の人の売り込みが始まる。言い値は高いが、言い値の半額以下の値段を言って「まけて」と言っても、結構、その額になったりした。一目惚れした傘をさした木彫りのカエルを、言い値の半額以下で購入。満足、満足。
 
沢山の船が行き交い、とても賑やか。
 船が進んで行く方向に太いヘビを持った人がいると思っていたら、あっという間に船を引き寄せられ、首にヘビをかけられた。が、ベトナムとカンボジアで経験済みの私はもうだいぶ慣れたものだ。笑顔で写真を撮ってもらった。もちろん、これも有料なんだけど、まぁ、いっか。その後、いったん船を降りて上陸したりと、何だかかんだ1時間くらいは船に乗っていて十分楽しめた。なので、含まれていると思っていたチケット代を払った事も、船を降りる時にはそんなには不満じゃなくなっていた。きっと、この後のは全部大丈夫なんだよね・・・。
 
首にヘビをかけられても大丈夫。でも、チロチロ舌を出してるヘビの顔が近づくと気持ち悪い・・・。
右は、「ココナッツキャンディー」と言われて買ったが、これキャンディーなのかな?でも、おいしかった♪
 再び車に乗り込み、カンチャナブリへ向かう。果たして、列車やボートに乗ったり、滝で遊ぶ事はできるのだろうか。不安だ・・・。またしてもいちゃいちゃする2人を見ながら、映画『戦場に架ける橋』の舞台となったクウェー川鉄橋にやってきた。運転手役の男の人が、「あっちに鉄橋があるから。」という様な事を言うので、色々確認したい事があるものの言葉がうまく通じず、とりあえず鉄橋へ行く事にした。のんびり歩いて行くと、目の前に大きな鉄橋が見えてきた。鉄橋の手前には爆弾が飾ってある。観光客が鉄橋の線路の上を歩いているので、私たちも歩いて行った。鉄橋の線路は、人がすれ違うのもやっとぐらいの幅しかなく隙間も多い。下がよく見え、急に足がすくんだりもした。この線路は今も使われているので、電車が来た時のための待避所も作られている。鉄橋の下を流れるクウェー・ヤイ川にはフローティングレストランがあり、たまたま通りがかった日本人に、「今、あのレストランに木梨憲武がいるよ。」と教えられた。へぇ〜。
  
鉄橋の上を歩くのは気持ちいい。でも、下を見ると足がすくむ・・・。それにしても、列車に乗りたかった!!
 のんびりと鉄橋を1往復し、「どうなってるんだろう?」と思った私たちは、もう1度きちんと確認するために車に戻った。しかし、2人は車にいなくて、仕方なくその辺をウロウロしていたら、おみやげ屋さんにいる2人を見つけた。2人に近づき、J.J.とは列車やボートにも乗れて、滝でも遊べるという話しだった事を説明するが、やっぱり通じない。4人で困っていると、その様子を見ていたおみやげ屋のおばちゃんがやってきて通訳をしてくれた。話しを聞いてみてびっくり。この2人は、ただ、水上マーケットとこの鉄橋に連れて行くようにと言われたらしい。やっぱり、きちんと紙に書かせるべきだった。「何それー!」と怒る私たちを見て彼は携帯電話を取り出し、J.J.に電話を掛けてくれた。てっきりこの人がJ.J.と話しをつけてくれるのかと思いきや、いきなり電話を代わらされた。一瞬、「電話で英語でなんて話せない。」とギョっとしたが、私の中で怒りが勝った。電話越しにJ.J.のヘラヘラした声が聞こえて来た途端、「You said〜.」と、が〜っと、とにかくまくしたて怒った。J.J.が途中で口を挟もうとしてもそれを遮り、自分でも何を言ってるのかよく分からなかったけど、「列車にもボートにも乗れるって言ったじゃんっ。滝でも遊べるって言ったじゃんっ。これじゃ、タクシーと変わらないし、高すぎるっ。昨日乗ったタクシーはいくらいくらで行ってくれるって言ったからねっ。」と、とにかく怒った。めちゃくちゃな事を言ってるとは思ったけれど、とにかく怒っておこうと思った。

 怒ったところでもうどうにもならないので、言うだけ言って電話を切った後、この後連れて行ってもらう場所を決めた。高い「足」になってしまったので、とりあえず行ける所に行かなくてはもったいない。が、「時間がない。」と言われ、エラワンの滝は断念。でも、別の滝に連れて行ってくれると言う。天気も怪しくなり始め、とにかく出発だー!

 まず、連合軍共同墓地へ。日本軍によって泰緬鉄道建設に駆り出されて亡くなった連合軍兵士のお墓なのだそう。とてもキレイに整備されていた。それにしても、あまりの数の墓石に驚く。こんなに多くの人が亡くなったんだなぁ・・・。

連合軍共同墓地入口。
 次にJEATH戦争博物館へ向かった。着いた頃、激しく雨が降り出した。この博物館は捕虜収容所の記録を残していて、内部は、当時の捕虜収容所のように竹で作られている。そうでなくても気分が滅入ってしまうほど激しく雨が降る天候の中、薄暗く狭いこの中で、日本軍が行ったヒドイ事実を知る事はとてもショッキングだった。日本人としてそこにいる事が、とても居心地悪かった。戦争とは何なんだろう。暗く沈んだ気持ちでそこを出た。

 車に戻る前、道端で売っていたウインナーのような物を買った。車の中で食べたのだが、これがまたとんでもなく辛かった。付け合せについていたキュウリをかじりながら、冷や汗をかきかき、残せばいいのにムリして全部食べてしまった。しばらく口の中はヒリヒリ痛く、あまりの辛さに鳥肌がたっていた。

 雨は強くなったり弱くなったりしながら降り続いている。今日はもう止まないのかなぁ、とあきらめかけていたら、滝に着く直前に見事なまでに止んだ。彼らが連れて来てくれてのは、サイヨーク・ノーイ滝。さっそく車を降り、滝へ向かって歩いて行った。自然が多く気持ちのいい場所で、滝では子供たちが遊んでいた。子供連れで遊びに来ている地元の人が多く、おみやげ屋さんや屋台もあり、ブラブラと散歩した。時間になって車の方へ戻り、パイナップルを買って食べていると、食堂から運転手役の男の人が出て来て、「今ご飯食べてるんだけど、もうちょっと待って。それとも一緒に食べる?」みたいな事を言う。お腹が空いていた私たちは食堂に入り、同じ物を頼んだ。汁なし麺。料理が出されると彼がやって来て、テーブルに置いてある調味料をパパ〜っと入れてくれた。これがまたおいしくて感激。「おいしい、おいしい。」と喜ぶ私たちを見て、彼も満足そうだ。そして食事が終わった後、バンコクへ向け出発。またしても、2人のいちゃいちゃぶりを見せつけられながらの帰路となった。
  
左から、サイヨーク・ノーイ滝、屋台の様子、すごくおいしかった汁なし麺。
 ホテルに戻って少し休憩し、ざっと荷造りを済ませる。後は夕飯を食べて帰るだけだ。そう思ったら気が抜けたのか、それとも疲れが出てきたのか、それともあの辛いウインナーみたいのがいけなかったのか、とにかくお腹が痛くなってきた。うぅ〜・・・。

 最後の夕飯はおいしいタイ料理を食べようと、サヤーム・スクエアの方へ行った。タクシーで行ったのだが、タクシーの冷房が、これまた良くなかった。また激しくお腹が痛くなり、タクシーを降りるやいなや、最初に目に入ったホテルのトイレへまっしぐら。う〜、お腹が痛くて死ぬぅ〜・・・。


 何だかもう、お腹が痛くてご飯どころではないのだけど、とりあえず、おしゃれな感じのタイ料理屋さんへ入った。お客さんも多く、店内の雰囲気もいい。出される料理もキレイでおいしい。つい調子に乗ってトム・ヤム・クンまで飲んでしまったが、やはり今の私にタイ料理は刺激が強過ぎた。激しい腹痛に襲われトイレへ。あぁ、せっかくのおいしい料理がおいしくな〜い。ご飯を食べた後、少し飲んで行こうなんて言っていたけれど、大人しくホテルへ帰る事にした。が、ホテル前でタクシーを降りるとついセブンイレブンへ行ってしまい、「もう食べれないから。」と、お気に入りのアイスを買い、そして、屋台でパイナップルを買ってしまった。そしてまた、トイレに駆け込んだ・・・。

8月19日(日)
 深夜2時半頃、ホテルをチェックアウト。早朝便のため、この時間に出なければならない。色々と感慨にふけりたいところだけど、それどころではない。腹痛は治まらず、吐き気や頭痛までして絶不調なんていうものではない。フラフラしながらタクシーに乗り込み、空港へ向かった。う〜、バイヨークスカイホテルよ、さよ〜なら〜。バンコクよ、さよ〜なら〜。

 空港に着きチェックインを済ませ、何度もトイレに行きながら飛行機の搭乗時間を待つ。2ヶ月前の悪夢が蘇る。ベトナムから帰る時のようになったらどうしよう・・・。そう思うとたまらなく飛行機に乗りたくなくなった。うぅ〜。

 6時05分、顔面蒼白の私を乗せたNW0002便は飛び立った。とにかく寝よう。もうそれしかない。そう思い、ブランケットにくるまって、ぐったりと死んだように眠った。どのくらい寝たのだろう?目が覚めると、ずいぶん体が楽になっていた。どうやら復活したようだ。ベトナムの時のようにならなくて良かったとホっとし、そして、気持ちを切り替える。さぁ、また明日から仕事だー!
(2002年12月12日 記)

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