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ボルネオ島旅日記
in
マレーシア


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3月14日(木)
 早朝3時30分、起床。のんびり身支度をし、5時45分発の成田空港行きリムジンバスに乗るため、立川駅へ向かう。ランカウイ島へ旅立った日の薄着を反省し、今回は半袖Tシャツにパーカー姿で出発。なかなか快適だ。リムジンバスはガラガラで、一番後ろの席を陣取った私はかなりいい気分でくつろいでいた。バスは高速道路を快調に飛ばして行く。朝早いだけに、たいした渋滞にハマるなく事、あっという間に成田空港へ到着。8時30分にユキコさん、アキコさんと合流する事になっていたのだが、時刻はまだ7時30分過ぎ。なので、スーツケースをゴロゴロ引きずりながら無理やりエスカレーターに乗って上の階へ行き、水中カメラを求めて徘徊する。
 ユキコさん、アキコさんと合流。やっぱり「薄着だよー。」と笑われる。が、快適、快適。それから、チェックインを済ませ、マクドナルドで朝ご飯を調達し、搭乗時刻を待つ。
 10時30分。私たちを乗せたMH81便は、快晴の空へ向かって飛び立った。ぐんぐん、ぐんぐん高度を上げていき、湧き出たような白い雲の中へと突入して行く。毎度の事ながらどんどん気分が高揚し、そわそわして落ち着かない。民族衣装を着たスチュワーデスさん、1人1人の座席に用意された液晶画面、約6時間のフライトにも関わらず2回もの食事、しかもアイス付き。やっぱりマレーシア航空は素晴らしい。思わず2回も観てしまった映画『東京マリーゴールド』。眠れなくて始めたゲーム『スーパーマリオ』。すぐに死んでしまいなかなか先に進めず「くぅ〜〜〜〜っ。」と唸る・・・。
 そうこうしているうちに飛行機は高度を下げ、15時30分、東マレーシアボルネオ島、コタキナバル空港へ着陸した。飛行機を降りると、ムっと熱い空気に覆われる。まだまだ日は高い。南国の雰囲気を肌で感じ、嬉しくて嬉しくてたまらない。あぁ、やって来ました、ボルネオ島!
 気を付けなければ見逃してしまいそうな階段を下りて行き、入国審査を受ける。それから荷物を取り、税関を抜け、日本円をマレーシアリンギットに両替する。とりあえず3万円分。これまた毎度の事ながら、3枚の紙切れが大量のお札に早変り、お財布を厚くする。
 まずはタクシーに乗りホテルへ向かう。怖そうだと思った運転手さんは話してみるとそんな事はなく、さっそく、こころもとない英語で会話を楽しむ。これがまた、私を「海外に来たんだな。」とわくわくさせる。
 少し小高くなった所に私たちの泊るホテル、ベルジャヤパレスが見えてきた。タクシーはホテル敷地内の坂を上がって行き、ロビー前で停まった。ボーイさんがトランクから荷物を取り出し、ホテル内へ運び入れてくれる。私たちもそれに続き、静かなロビーでチェックインを済ませ、私たちの部屋、322号室に向かった。全体的にとても静かな雰囲気が漂っている。

ハネムーナーにお薦めらしいベルジャヤパレスホテル。でも、私はお薦めしないかも・・・?
 簡単に荷物を整理し、サンダルに履き替えた私たちは、今日のこれからの動きを相談した。まずフロントへ行き、私たちが行きたいと思っている所へ行けるオプショナルツアーがあるかどうかを確認し、いいツアーがあれば申込む。それから、チェックイン時にもらったウエルカムドリンクの券を持ってカフェへ行き、ウエルカムドリンクを飲む。そして、ホテルの近くにあるショッピングセンターへ行こうと決め、部屋を出た。
 フロントに行き、私たち3人ともが「誰かに似てる。」と思いつつ、結局、「この人!」と思う人が浮かばなかったスタッフ(以後、ガンジーと呼ぶ。)に、「オプショナルツアーはありますか?」と尋ねる。ガンジーは、私たちの行きたい場所を確認してから、オプショナルツアーが書かれたファイルを見せてくれたのだが、「これだ!」と思うツアーが見当たらない。私たちは、「キナバル公園」「ポーリン温泉」「キャノピーウォーク」に行きたかったのだが、3ヶ所回るツアーがなかったのだ。その事を伝えるとガンジーは、「ちょっとお待ちください。」と奥へ入ってしまった。
 3人でイスに腰掛けてガンジーを待っていると、目の前を1人のおじさんがニコニコしながら歩いて行った。目が合ったので「ハイ!」と挨拶を交わす。すると、一旦通り過ぎたそのおじさんが戻ってきた。名前はジェームス。マレーシアの首都、クアラルンプールからセミナーのために来ているそうだ。「どこから来たの?」「いつ来たの?」「いつ帰るの?」などのありがちな会話をしているとガンジーが現れ、ジェームスは去って行った。
 ガンジーは、私たちが3ヶ所回れるようにどこかのツアー会社と話しをしてくれたうえ、スペシャルプライスを設定してくれたようだった。そしてもう1つの、「サピ島でシュノーケリングをする。」という私たちの希望は、また明日帰ってきてから決めようという事になった。何とか話しが通じて明日の行き先が決まったことと、ガンジーの親切さに大ご満悦の私たちは、ウキウキしながらウエルカムドリンクを飲みにカフェへ行った。
 カフェはガラガラで、やっぱり静けさが漂っている。ちょっと緊張気味にウエルカムドリンクが運ばれてくるのを待つ。南国なだけにトロピカルジュースが出てくると思っていたら、暖かいミルクティーのような物が出てきた。意表をつかれ、「これは何ですか?」と聞いてみたのだが、その時はよく分からなかった。カフェのスタッフであるマリウスが、両手を広げて何やら怪しい動きをしてみせてくれるのだが、何を表現しているのかよく分からなかった。が、後から本を見ていて「テー・タレ」という飲み物だった事を知る。
 暇そうなマリウスと少し話しをし、マリウスに写真を撮ってもらったり、マリウスと一緒に撮ったりした。そこへふらりとジェームス登場。せっかくなのでジェームスとも写真を撮る。ジェームスはホテルのプールがお気に入り(?)のようで、妙にプールへ行く事を薦められた。そして、自分はどの部屋にいるかを言った後、私たちの部屋はどこかと聞く。浮かれていた私は深く考えもせず、「スリー・トゥー・トゥー」と言ってしまった。これが後でやっかいな事になるとは思いもせずに・・・。
 ジェームスにキナバル山を薦められたので、登ろうと思っていたが山小屋の予約ができなくて登れなくなった事を話すと、マリウスに「何とかしてやれ。」みたいな事を言っているようだったので、「ジェームスよ、何を勝手に・・・。」と少し焦る。もう、すでに他の予定があるのだから・・・。それから、あさってはサピ島に行くつもりだという事を話すと、少しして、一旦仕事に戻ったマリウスがやって来て、サピ島へ連れて行ってくれると言う。「本当に?本当に?」と大喜びの私たち。私たちがあまりにも大喜びなのでマリウスは少し照れくさそうだ。ガンジーに引き続きマリウスも何て親切なんだろう。かなり上機嫌の私たちは、時間と待合わせ場所を決め、ぬるくなっていっそう甘くなったテー・タレを飲み干し、カフェを後にした。
 ホテルの坂を下って行くとカラムンシン・コンプレックスという大きなショッピングセンターがある。何かおみやげになりそうな物があるかと思ったのだが、おみやげというよりは生活に必要な物が揃っていて、床屋や歯医者なども入っていた。マレーシア航空のオフィスも入っていて、「ここでリコンファームをすればいいんだ!」と思ったものの、どう考えても営業時間内には来れそうもない。でも、もし自分たちでチケットのリコンファームが出来なくても、フロントに頼めばやってもらえるだろう。
 ショッピングセンターを出ると、来た時は明るかった空が真っ暗になっていた。所々に段差があったり、穴が開いている道を注意して歩いて行く。が、やはり落ちる私・・・。目指すはマリウスに教えられた屋台街。ホテルの坂を下りきると高速道路があり、そこを右にまっすぐ行くと映画館があって、屋台街はその裏にあると教えられた。車道では何台もの車が走っているものの、歩道を歩いている人はほとんどいない。そして、すぐだと言われた屋台はなかなか見えてこない。だんだん不安になり出し、「本当にこっちなのかなぁ。」と言いながら歩いて行く。すると、少し先のバス停にバスを待つ女の人がいたので、「聞いてみよう。」と声を掛けた所でバスが来てしまい、結局聞けずじまいだった。だが、とりあえずもう少し行ってみようと歩いて行くと、映画館が見えてきた。
 映画館の角を曲がって行くと、マリウスに教えられた屋台街があった。何店舗かのお店の人に声を掛けられながら奥まで入って行き、沢山のいけすがある屋台で夕飯にする事にした。峰岸徹風の店員さんがオーダーを取りにて、「かえる?かえる?」と笑いながら、迷う私たちに色々メニューを言って薦めてくれる。本日の夕飯は、マレーシア風炒飯ナシゴレン・エビのガーリック&バター炒め・サバ野菜マレーカンコンの炒め物に決定。それにSTELLA ARTOISというビール1本を頼み、お通しなのかパパイヤのピクルスとピーナッツが出された。料理はどれもおいしく大盛りで、大満足の夕飯となった。
   
沢山のいけすの中にはカエルやらエビやらカニやらウツボ(?)やらがいっぱい・・・。
 あまりの満腹感に朦朧としていると、峰岸徹風の店員さんとかわいい女の子がやって来たので、一緒に写真を撮ったり、料理の事を聞いたりしていた。そして記念におしぼりの袋を持って帰ろうとすると、新しいおしぼりをくれ、ニコニコと笑っていた。本当にマレーシアの人はいい人ばかりだなぁ。
 帰りがけ、まだ開いているスーパーを見つけ寄って行く。怪しげなカラフルなお菓子を見て怪しがったり、大きな鍋を見て驚いたりした後、水を2本ずつ買って帰る事にした。やっぱりスーパーは面白い。
 南国の夜はとても気持ちが良く、「盆踊りの帰りみたいだね。」と、相変わらず車はよく通るが、ほとんど人のいない静かな歩道をいい気分で歩いて行く。行きに遠く感じた道のりは、帰りは近く、あっという間にホテルに着いた。部屋の鍵をもらうためフロントへ行くと、部屋番号を言い終わらないうちに鍵を差し出される。「外出していたのは私たちだけだったのかな?」とちょっと不思議に思うがたいして気にはしない。そして、「OPEN」のボタンを押し続けても閉まってしまうエレベーターに急いで乗り込み、3Fへと上がって行く。
 部屋に戻りくつろいでいると、突然電話が鳴った。「誰が電話なんてしてくるんだろう?」と出てみると、それはジェームスだった。最初、名乗りもせずに話し出し、「ジェームスかな?」とは思ったものの「誰?」と尋ねると、「ジェームス」と嬉しそうに笑う。私が「ジェームス?」と言うと、ユキコさんもアキコさんも「ジェームス!」と笑う。しかし、延々と「今日は何してたの?」「プールに行った?」「明日はどこに行くの?」などと話され、「明日の朝プールにおいでよ。」と言う。「明日の朝は早いから行けない。」と言うと、「何時に出発するの?」などといつまでも電話を切ろうとせず、本当に困り果てた・・・。あぁ、部屋番号を教えてしまったばっかりに・・・。
 こうしてボルネオ島1日目の夜は、「何であんなにジェームスはプールに行きたがるんだろう?」という話しで盛り上がり、そして、明日の早起きに備えて早めに部屋の電気を消した。


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