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ボルネオ島旅日記
in
マレーシア


INDEX

3月15日(金)
 朝5時30分、起床。朝食を食べにカフェへ下りて行く。ビュッフェスタイルになっているものの、数種類のパン・シリアル・ヨーグルト・フルーツがあるだけである。何だかもの寂しい感じもするが、夕飯を食べ過ぎていたのでちょうどいい。
 部屋に戻り、キナバル公園、ポーリン温泉、キャノピーウォークへ行く準備をする。ポーリン温泉で温泉に入る気マンマンの私たちはしっかりと水着を持ち、日焼け止めを塗ったりしながら出掛ける準備をしていると電話が鳴った。ガイドさんからで、もう下で待っているとの事だった。慌ててロビーへ下りて行き車に乗り込むと、もう1組、マレーシア人らしきお客さんが乗っていた。
 車はキナバル公園に向けて出発した。「どこにキナバル山は見えるんだろう?」と思いながらしばらく行くと、目の前に大きな山が見え始めた。「あれがそうかな?」と話していると、「あれがキナバル山だよ。」と、ガイドのデビが教えてくれる。「あぁ、あれが私が登りたかったキナバル山!」と思ったらたまらなく興奮してしまい、「激写、激写。」と、ものすごいスピードでがたがた走って行く車の中、写真を撮りまくる私。ユキコさんもアキコさんも笑っている。
  
車中より、キナバル山、激写中・・・。
 車はどんどん山を上って行く。近づけば近づくほど見えなくなってしまうのではないか、と激写し続けたキナバル山は、どんどん大きく目の前に立ちはだかる。が、近づきそうでなかなか近づかない。そんな簡単に、近づきすぎて見えなくなってしまう山ではなかった。なので私の激写は続く。途中、濃い霧に覆われ視界が遮られること数回。霧が晴れたと思えば眼下に広がる幻想的な霧と山々、はたまた山腹に立ち並ぶ家々、何度も見かける自由気ままな犬たち、何もかもがキナバル山の魅力を駆り立てていく。
  
まだまだ激写中。途中、山々に霧が立ち込める。
 途中、デビの指示なのか、キナバル山がよく見える場所で、運転手さんが車を停めてくれる。急いで車外に飛び出し、3人で写真を撮る。明るいピンクの花、ブーゲンビリアの向こうに、霧がかってそびえ立つキナバル山。圧巻である。

やっと落ち着いて撮れたキナバル山。
 キナバル山の山肌がどんどんくっきりと見えるようになってきた。さらに興奮し、「激写、激写。」と写真を撮る。すると、かなり近づいたと思ったキナバル山が、また少し離れて行った。「あれ?」と思っていると、車は「SELAMAT JARAN」と書かれたゲートをくぐり、停まった。ホテルを出発してから約2時間、キナバル公園に到着。
  
山肌がくっきり見えてきた後、キナバル公園に到着。
 どうももう一組のお客さんはキナバル山に登るようだ。うらやましい。デビがお客さんを連れて管理事務所に手続きに行ってしまった。私たちはそこから見えるキナバル山や花々や木々に感動し、写真を撮ったり、管理事務所の隣りにあるおみやげ屋さんに行き、キナバル山のポストカードを何枚も買い込んだりしていた。見れば見るほど「キナバル山に登りたい。」という思いが強くなる。「絶対にまた来よう。」と心の中で誓う私。だいぶゆっくりした後、登山手続きにまだ時間がかかるのか、デビをそこに残し、私たちは車でさらに奥へと進んで行った。公園本部の本館まで行き、そこで1時間の自由時間が与えられた。
 
管理事務所前からの眺め。偉大なるキナバル山!
 まず本館の中へ入ってみるが、山の中を歩きたかった私たちはすぐに外へ出て行く。アスファルトを歩くとさらに強い日差しの照り返しを受け、肌がじりじりと焦げていくようだ。公園内にはいくつかのハイキングコースがあるのだが、その中の1つを散歩してみることにした。小さな小川が流れていたり、背の高い木々によって熱い日差しが遮られ、とても気持ちがいい。だが、密かに世界最大の花「ラフレシア」や食虫植物「ウツボカズラ」などを見れる事を期待していたものの、やはり見ることはできなかった。こうなると、「とりあえず」と、花らしき物やシダ植物などを激写する。もっともっとボルネオ島の自然に触れたいが、その為にはもっと奥へ入って行かなければならないのだろう。時間もあまりないので本館の方へ戻ることにした。

気持ちのいいハイキングコース。
 本館の中には展示場があり、ラフレシアの写真が飾ってあったり、開花までの過程が分かるようになっていた。また、付近で見られる動物の剥製などもあり、「自分の目で見られたらなぁ。」と思わずにいられない。そこからまた外に出て南国の花々を見ながら歩いて行くと、巨大なラフレシアのオブジェが現れた。思いがけないラフレシアの出現に、思わず歓声をあげる。それから交互にラフレシアの中に入り写真を撮り合った。

めしべになった気分で・・・?
 管理事務所前でデビと合流し、次なる目的地、ポーリン温泉へ向かう。お昼を持っていなかった私たちはそれを伝え、途中でレストランに寄ってもらった。さっきまでの快晴がウソのように曇りだし、すぐ近くに見えるはずのキナバル山は霧に覆われ見る事ができない。だが、目の前に広がる景色はとても気持ちがいい。本当にここは自然の宝庫だと思う。
 お昼は、ご飯に鶏肉を添えたナシアヤム・マレーシア風焼きそばミーゴレン・マッシュルームのガーリック炒め・パイナップルを3人で分け合って食べた。マレーシアのご飯は本当においしい。出発前に外にあるトイレに行くと、巨大なカブトムシがいた。気付かずに手を洗っていた私はデビに言われて始めて気付き、「うわっ。」と驚く。やっぱりここは違う。

ナシアヤムとミーゴレンを取り分けて。
 キナバル公園から約1時間、途中、高原野菜や色とりどりの花々が売られている露天が立ち並ぶクンダサンを通過したり、どこまでも続く山々や快晴の空にもくもくと湧き上がった白い雲を見たりしながら、ポーリン温泉へやってきた。ちなみにこの「ポーリン」とは、カダザン/ドゥスン族の言葉で、「竹」の事だそうだ。
 デビを先頭に、川に架る橋を渡って行く。勢いよく流れる川の水が気持ち良さそうでちょっと寄って行く。それから竹が生い茂る道を抜けて行くと、右手側にプールが、左手側にポーリン温泉が見えてきた。ポーリン温泉は丸い円が4つに区切られていて、自分で蛇口をひねってお湯を出し、水着着用で入る無料の温泉で、(有料で、裸で入れる個室の温泉もある。)私たちが想像する温泉とは少し様子が違う。だが、大勢の人で賑わっていたし、私たちも入る気マンマンだった。いくつもある温泉の間を抜けて行くと、硫黄の臭いが漂う源泉があった。これは第二次世界大戦中に、日本軍が発見したのだそうだ。

勢いよく流れる水が涼しげで気持ちいい。
 温泉に入る前に、そこから30分位先にある「キャノピーウォーク」へ行く為、お金を払って山の中へと入って行った。ここはカメラの持込料も必要だ。キャノピーウォークとは高さ41mの所に架かる細い吊り橋で、上から山中の様子を観察する事ができる橋である。

キャノピーウォーク目指して登山中。
 キャノピーウォークまではずっと上り坂のうえ暑さも手伝い、私たち4人は汗だくになりながら山を登って行った。休憩所のような所に着き、4人でイスに腰を下ろし休憩する。呼吸を整えながら前方の木々の間をよく見てみると、上の方に細い吊り橋が架っているのが見えた。「あ、キャノピーウォークだ!」とイスから立ち上がり見上げてみる。細い板の両脇にネットが張ってあるだけの吊り橋が、木々の間に架っている。少し怖そうだけど楽しそう!呼吸が整ったところで階段を上がって行き、キャノピーウォークを歩く事にした。この橋には人数制限があり、1度に6人までしか歩けない。
 吊り橋は当然の事ながらぐらぐら揺れる。が、両脇にネットが張られている為、何だか安心感がある。両手でしっかりとネットをつかみながら歩いて行く。下を見てしまったり、「怖い。」と思ってしまうと怖いが、普段目にする事がない高さから周りを見ながら歩いて行くのは気分がいい。1つ目の吊り橋を渡り切った所で周りの景色をゆっくりと眺めてみる。空は真っ青で、山は緑々としている。。何とも気持ちがいい。そこから吊り橋は左右に分かれており、まずは、右手側の吊り橋を歩いて行く。それからまた戻って来て、今度は逆側の吊り橋を歩いて行く。途中、デビが植物の説明をしてくれる。それらを聞きながら、吊り橋の終わり目指して歩いて行く。だんだんネットの幅が広がっていき、両手を思いっきり伸ばしても、届くか届かないかになってきた。そうなると安定感がなくなり、ちょっぴり腰が引けてくる。
 
写真左:1度に6人までしか歩く事ができないキャノピーウォーク。
写真右:キャノピーウォークの高さからの眺め。
 吊り橋を渡り切り、今度は山を降りて行く。ずんずん歩いて行くとポーリン温泉へ戻って来た。「さぁ、次は温泉だ。」と思っている私たちに、デビが「バタフライファームへ行く?」と聞く。せっかくなので寄って行く事にし、RM4を払い中へと入って行く。ブーゲンビリアやマレーシア国花であるハイビスカスが咲き乱れ、とても綺麗だ。まずは展示場のような所へ入り、沢山の蝶々の標本などを見る。それからネットで覆われた蝶々広場のような中へ入って行く。大きな蝶々が優雅に飛び回っている。
 バタフライファームを出て歩いていると、デビが、「今日の夜、一緒にご飯を食べに行かない?」と誘ってくれた。突然の予想外のお誘いに私たちは大喜びだ。そんな私たちを見てデビも嬉しそう。「何が食べたい?」と聞くデビに、「マレーシアンフードが食べたい。」と答える。デビはちょっと考えてから、「フライドロティを食べに行こう。」と提案してくれた。以前、このボルネオ島旅行の話しをするのにインド料理屋に行った私たちは、「ロティ」が合言葉になっていたので、「ロティ」という言葉に大いに反応して喜んだ。デビは、「私のお母さんはロティを作ってくれるよ。でも、私は食べるだけ。」とかわいく笑っていた。
 温泉に入る気マンマンだった私たちだったが、デビの「え?入るの?」というような驚きに、あっさり「いいか・・・。」と温泉に入ることを断念し、温泉を横目で見ながら通り過ぎて行った。歩きながらデビは、生えている植物の説明をしてくれる。また、イスラム教徒の集会場のような建物の前を通りがかった時には、「ホテルには必ず拝む方向が分かるように印がしてあるから、部屋に戻ったら探してごらん。」と教えてくれた。

結局入らなかったポーリン温泉。
 最初に渡ってきた川を渡り、元の場所へと戻って来た。その少し先にはおみやげ屋さんがあり、デビがアイスを薦めてくれるので見てみると、ケースの中には今まで見たことのないような味の数種類のアイスが入っていた。面白いので、「ドリアン味」「アボガド味」「とうもろこし味」の3種類を買って、回し食べする事にした。買う時、私はかなり「絶対ドリアンはキツイ。」と怯えていたのだが、「うっ、臭い〜。」と笑っているユキコさん、アキコさんに続いて食べてみるとなかなかおいしく、最終的には私がドリアンアイス担当となった。やっぱり食べてみないと分からないものだなぁ、と妙に納得。
 空がだんだんと曇り始め、私たちはホテルへ戻るため車に乗り込んだ。途中、露天が立ち並ぶ場所で車を停めてくれたので、少しおみやげを見てみる。すると突然激しい雨が降り出したが、間もなく雨は止んだ。ドリアンを食べたかった私たちは、どこからか漂ってくるドリアンの匂いに期待しつつ探してみるのだが、どこにもドリアンは置いていなかった。匂いはするのに物がないので納得できない気分ではあったが、代わりにマンゴスチンを買って食べた。初めてマンゴスチンを食べたのであまりどういう物なのか分からず、アキコさんが「何か苦い。」と言っていたり、半透明の果肉の周りに黄色いドロっとした物が付いていても「こういう物なのかな?」と思い、爪を黄色く染まらせながら食べていた。するとそれを見たデビが、「それは食べちゃダメだよ。」と慌てて止めてくれた。「やっぱり食べちゃいけなかったんだ。」と3人で納得。

吊るされたバナナ、おいしそう。
 再び車へ乗り込み、ホテルへと向かう。天気が回復する気配はなく、どんどん霧に覆われ何も見えなくなっていった。雨も強く降り始める。「キナバル山は午後になると天気が崩れる。」と聞いていたのでそのせいだと思っていたのだが、コタキナバル市内の方でも雨は降っていた。だが、ホテルに着いた頃には雨は止み、太陽も顔を出していた。ロビー前で、7時半に迎えに来てくれるというデビと一旦別れた。
 フロントでキーをもらうが、やはり部屋番号を言う前からキーを差し出してくれる。もう覚えられているのだろうか?それから、もしプールの方にシャワーがあれば皆で浴びれるので、シャワーがあるか見に行こう、とプールを覗きに行くと、それはそれは小さなプールで、当然シャワーなどというものはない。そして私たちは、シャワーがなかった事ではなく、このプールに誘い続けるジェームスの事を考え、3人でひきつり笑いをしていた・・・。
 部屋に戻った私たちは、気になっていた飛行機のリコンファームをしてみることにした。マレーシア航空のオフィスの営業時間はちょっと過ぎてしまっていたが、一応電話を掛けてみることにしたのだ。かなりドキドキしながら電話をすると相手が出たので、「あぁ、出た!」とドキドキしつつ、「I’d like to・・・・」とリコンファームをしたい事を伝えた。すると、「カウンターまで来てください。」と言うのだ。確か電話だけで済むはずなのにおかしいと思った私は、自分で電話をしておきながら、「あなたは誰ですか?マレーシア航空さんですか?」と尋ねると、「Yes...Oh!No,No!」と言ってから、ベルジャヤホテルのフロントだと言われた。そうだ!私は外線にかけるためのボタンを押さなかった。なので、マレーシア航空のオフィスではなく、ホテルのフロントに繋がってしまったのだ。我ながらおかしくなってしまい、フロントの人と笑い合ってしまった。それからもう1度、今度は外線にかけるためのボタンを押してからマレーシア航空のオフィスにかけてみると、「本日の営業は終了致しました。」というアナウンスが流れていた。仕方がないので、明日フロントに頼む事にし、断念。
 それから、「どうせまた出掛けるしね。」とシャワーも浴びず、デビとの約束の時間までくつろいでいると、突然電話が鳴った。「誰?」と思いながら出てみると、何とまたジェームスではないか。ジェームスはよっぽど暇なのだろう。「今日は何してたの?」「明日はどこ行くの?」などとずっと話している。そしてまた、「プールに行ったか。」とか「行かないか。」などと言い始めたので、「プールは行ってないし、あのプール小さいよ。」と言うと、ジェームスはただただ笑っていた。そして、「もうすぐ出掛けるから。ソーリー。」と言って電話を切った。ジェームスよ、そんなにあのプールが好きなのか・・・。
 それから少ししてデビから電話があり、ロビーへと下りて行った。デビはシャワーを浴びた形跡のない私たちを見て驚いていた。私たち3人は、「日本人、汚いって思われたね。」と笑いながらデビの車に乗り込む。「これはマレーシアンカーで、お母さんの。」とデビは笑う。デビは自分の家の近所だというチャイナ地区のオープンレストランへ連れて行ってくれた。デビは21歳の中国人。本当に21歳とは思えないくらいしっかりしていて、とてもかわいい。てきぱきとお薦め料理を頼んでくれる。2種類頼んでくれたロティはとてもおいしく、バナナの葉に包まれたビーフン「ミーフーン」もおいしい。他にもミーゴレンや3種類のお肉を食べ、かなり大満足。

バナナの葉をお皿にして。
 それからデビは、「どこに行きたい?」と、車で夜の市内観光に連れて行ってくれた。夜なのでどこも車から見てみるだけだが、州立モスクや一番新しいというモスク、マングローブが生息している川、フィリピン人の水上家屋、バッテリービルディング(とは言わないか?)などの場所へ連れて行ってくれ、その度に色々な説明をしてくれる。本当によく知っていてすごいなぁ、と思った私はそうデビに言うと、「ガイドになるための勉強をしたから当たり前で、すごくないよ。」みたいな事を言っていたが、やっぱりすごいと思う。そして最後に高級ホテル地区へ行き、みんなで高級ホテルの様子を窺うため(?)、トイレに行って帰って来た。最後にデビは名刺をくれ、笑顔で帰って行った。デビよ、本当にありがとう。そして、もう少しきちんと英語が理解でき、話せたらなぁ、と思う私なのでした。 
 ホテルに入り、またもや部屋番号を言い終わらないうちにキーを渡されエレベーターに乗ろうとすると、カフェからマリウスが出て来た。私たちは「あー!」と笑顔で寄って行き、明日の約束を確認する。が、何だかマリウスの様子がおかしい。私たち3人は、「明日本当に連れてってくれるんだよねぇ?」と、ちょっと不安に思いながら部屋へ戻って行った。すると電話が鳴り、「まさかジェームス?」と恐る恐る出てみるとマリウスだった。「今から部屋に行ってもいい?」と電話を切り、マリウスがやってきた。わざわざ明日かかる費用を紙に書いてきてくれたのだ。マリウスは私たちがデビと帰って来たのを見て、明日もツアーで行くんじゃないかと心配だったようである。私たち3人は、「本当にマリウスはいい人だねぇ。」と言い合い、明日も楽しい1日なることを確信した。
 夜、そんなに遅い時間ではないものの、電気を消すと同時に意識が遠のいて行く。今日も1日、本当に楽しかった。明日はサピ島だ!
 

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