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ボルネオ島旅日記
in
マレーシア


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3月17日(日)
 デビも薦めてくれたサンデーマーケットに行く為、6時に起きて出掛けるつもりだったのに、目が覚めると目覚ましをかけておいた時間をとっくに過ぎ、すでに7時になっていた。「あらら。」と思いつつ、「昨日は本当に疲れてたから。」と起きれなかった事にも納得し、朝食を食べに行った。そして、いよいよ今日の深夜便で日本へ帰るので、部屋に戻ってきてから荷物をまとめ、チェックアウトを済ませた。そして、これから買い物や市内観光をする予定の私たちは、ホテルでスーツケースを預かってもらう事にした。
 今日もまた一段と暑いコタキナバル市内のアスファルトの上を、のんびりと歩いてサンデーマーケットへ向かった。途中、人に道を尋ねたりしつつ、何とか無事にサンデーマーケットへ到着。沢山の人で賑わう通りを歩いて行くと、食べ物や洋服や小物だけでなく、犬やウサギなどのペットも売られていてびっくりしてしまう。それにしてもかわいらしい声でキャンキャン鳴き続ける子犬たち、本当にかわい〜。混み合うマーケット内を一通り見た後、暑さで疲れてしまった私たちはアイスを買って食べ、一息ついてから相変わらずカラカラの喉を潤す為、来る途中で見かけたケンタッキーへ向かう事にした。サンデーマーケットでも飲み物は売っていたのだが、どれもこれも毒々しい程のカラフルな液体で、それを本格的に水分を要求し始めていた体に吸収させる勇気はなかった。

サンデーマーケットの入口にて。
  
コタキナバル市内の様子。
 ケンタッキーに到着。本当に喉が渇いていたので甘くない飲み物が飲みたかったのだが、ボルネオ島に来てから、ガムシロ&ミルクが入っていないアイスティーを飲めた事がなかったので、店員さんに聞いてみることにした。だが、私の下手な説明ではうまく伝わらず、「中国茶の事を言っているのですか?中国茶はおいていません。」と言われてしまったので、ストレートティーを飲む事は諦め、さっぱりしていそうなライムジュースを頼んだ。カラカラだった喉と体に潤いが戻り、多少は効いている冷房で涼んで落ち着いた。それからおみやげを買うため、センターポイントへ向かう事にした。
 日曜日という事もあってか、センターポイントは沢山の人で賑わっていた。私たちはまずセンターポイント内に入っているスーパーへ行き、おみやげ用のお菓子などを見ることにした。ここは大きなスーパーなので色々な物が揃っており、つい夢中になって買い物を始めた。おみやげのお菓子、限定品のミント味のキットカット、ナシゴレンや野菜炒め等の素、マンゴージュースにコーヒーの粉。インスタントラーメンに、これまたおみやげ用にと、コタキナバルの名産らしい胡椒を大量に買い込む。気付けば買い物かごはいっぱいで、とにかく重たい。あまりの重さにどれかを戻そうかとも思うが、どれもこれも手放したくはないので、結局、全て購入する事にする。けれども、精算を済ませた後、この大荷物を持って歩く事を考えたらクラクラしてきそうだった。

マレーシアのポスト。
 食べ物以外のおみやげを見る前に、お昼にすることにした。デビに、「コタキナバルのケンタッキーは本当においしい。」とすごく薦められ気になっていた私たちは、ケンタッキーでお昼にすることにした。普通にセットを頼んだのだが、パン・コールスロー・マッシュポテト・フライドポテト・2種類のフライドチキン・コーラが付いていて確か300円位だったと思う。あまりの安さに驚き、そして、フライドチキンのおいしさに感激。かなりお腹が膨れて体も休まったところで、再び買い物へ行く事にした。あまり「おみやげ屋さん」らしいおみやげ屋さんはなく、とにかく端からフラフラと見て回った。重たい荷物を持っての買い物だっため、かなり疲れてしまった私たちは、センターポイント内の喫茶店で休憩することにした。ペットボトルの水を買い、一息入れる。
 買い足す物があるユキコさんが重たい荷物を持たずに買い物できるよう、アキコさんと2人で荷物番をして待つことにした。買い物を終え、戻って来たユキコさんの手には絵本があり、それを見た私たちもうらやましくなって見に行くことにした。数冊買った後、ちょっとふらりと店内を見て回ると、隅の方に足ツボマッサージのお店があるではないか。疲労困憊の色を隠しきれない私たちの目が輝く。1時間もやってもらえるのにとても安い値段だったので、ユキコさんを呼んで来てマッサージを受けるかどうか相談する。そして、市内観光をやめて、足ツボマッサージを受けてみようということになった。ところがいざお店に入ろうとすると、何と、そのお店の閉店時間ではないか。せっかくの相談も水の泡。私たちは、足ツボマッサージをあっけなく断念せざるを得なかった。改めて時計を見て少し驚く。「まだ」と言うべきなのか、「もう」と言うべきなのか、まだまだ日は高いものの時計の針は17時を指している。けれど、外はとても明るく、「それじゃぁ。」と、当初の予定通りタクシーに乗って、州立モスクとシグナルヒルの展望台へ行く事にした。
 センターポイントを出るとすぐ、タクシーが停まっていた。「メーター?」と尋ねると「イエス」と言うので、かなりボロっちいタクシーではあったものの乗り込むと、大量の荷物をトランクに積み入れてくれる。身軽になり、さぁ出発だという時、よく見てみるとメーターらしき物が見当たらない。「あれ?」と思い、もう1度「メーター?」と尋ねると「ノー」と言うではないか。慌てて「How much?」と尋ねると、「1時間いくら(忘れてしまった。)」と言われ、相場がよく分からなかったものの、そんなに高いとも思わなかったのでそれで了解し、現在の時間を確認後、モスクへ向けて出発した。
 マレーシアでは、車内・屋内共に、たいていどこも寒い位に冷房が効いていたので、かなり暑くてたまらなかった私たちは涼しい車内を期待していたのだけれど、このタクシーはとんでもなく暑く、窓を開けて生ぬるい風に当たるしかなかった。それから少しして、こないだの夜、デビが連れてきてくれた州立モスクに到着した。敷地内に入ってしまうとモスク全体を写真に収めるのはなかなか難しく、柵の際まで行きなんとか写真を撮る。写真を撮り終えた私たちは、もう次へ移動するのだろうとばかり思っていると、運転手さんがモスクの中へ案内してくれるではないか。「え?入っていいの?」と言いながら靴を脱ぎ、運転手さんに続いて中へと入って行く。中には広い部屋があり、沢山の扇風機が置かれていた。1人だが礼拝している人もいて、少し緊張してしまう。

とても大きな州立モスク。礼拝時間以外は、異教徒も中を見学する事ができる。
 それからまたタクシーに乗り込み、私たちはシグナルヒルの展望台へ向かうつもりだった。運転手さんは前方に見え始めた建物を指差し、「あれが州立博物館だよ。」と教えてくれる。そして、「でも、もう閉園している。」と言っているにも関わらず、道を歩いている人と「まだやってる?」「もう終わったよ。」みたいな会話をし、「やっぱりもう閉まってる。」というような事を私たちに言う。特に行くつもりもなかった私たちだったので残念にも思わなかったのだが、運転手さんは博物館の入口目指して坂を上り始めた。訳が分からない私たちが、「外観だけでも見せてくれようとしてるのかな?」と言い合っていると、前から博物館の人が「もう終わったよ。」という感じで出て来た。すると運転手さんと博物館の人が何か話しを始め、私たちに「いつ帰るの?」と聞く。「今日の夜中。」と答えると、少し考えてからニッコリ「チャンスをあげよう。」と言う。何だか分からないけれど、私たちは感激して車を出る。記念撮影をするのに絶好の場所で写真を撮り、これで終わりかと思っていると、「中には入れないけど、家とか見たい?」と言うので、「見せてくれるの?」という期待を込めた声で「イエス!」と言うと、「OK!」と満面の笑みを浮かべ、本館・別館・伝統家屋・植物園のうちの伝統家屋へ連れて行ってくれた。
 
(写真左:道路から見た州立博物館。写真右:タクシーの運転手さんと一緒に。)
 12棟もの伝統家屋が移築されていて、博物館のおじさんは、1つ1つ説明しながら案内してくれた。タクシーの運転手さんもニコニコしながら一緒に付いて来る。順番に家屋を回って行くと、頭骸骨が吊り下げてある家があった。首狩族の家だと言う。まさか本物ではないだろうと思っていたら本物だと言われ、とても驚いた。そして、しっかり写真を撮ってしまった。バチ当たりだったかな・・・。他に「サバのカウボーイ」と言われたバジャウ族の家や、中国人の家などがあった。閉園時間を過ぎているというのにゆっくりと説明しながら回ってくれ、とても感謝、感謝。それにしても、もう少し英語が理解でき、話せたらいいのに・・・。
  
伝統家屋に頭蓋骨。
 博物館のおじさんにお礼を言い、私たちは今度こそシグナルヒルの展望台を目指した。だんだんいい感じに日も暮れてきている。が、通りがかりに見かけた中国寺院にちょっと反応してしまったら、タクシーの運転手さんはそこへも寄ってしまった。展望台から夕焼けを見逃したくはないし、ちょっと、「時間稼ぎされてるかな。」とも思っていたので、「え・・・。」と思うものの、とりあえず素早く一周して車に戻った。それからも展望台へ着くまでに色々な所で、「寄る?」と聞くので「ノー」と答え続け、まっすぐ展望台へ向かった。
 
たまたま見かけた中国寺院と、そのお寺にあった大きな像。
 細い道路を上がって行くと、右手側に道路からちょこっと突き出た場所があった。「あれ?もしかして・・・。」と思ったら、やはりそこが展望台だった。展望台としてガイドブックに載る様な場所でもないような気がしなくもないが、そこからはコタキナバルの町並みや海が見え、やっぱり来て良かったと思う。ちょうど日が暮れる前だったので、だんだん日が暮れて行く様をそこから見る事ができた。夕焼けはとても美しく、この旅の締めにはぴったりの場所だった。
 
シグナルヒルの展望台から見たコタキナバル市内と夕焼け。
 日が暮れた所でホテルへ戻る事にした。ホテルに着いた時、タクシーに乗ってからちょうど2時間が経っていたので2時間分のお金を払い、タクシーを降りた。そして、フロントに預けていた荷物を出してもらう。さぁ、大量のおみやげをしまわなくては。スーツケースを広げたいが、まさかロビーで広げるのも何だし・・・と思い、フロントにいたガンジーに訳を説明するとニッコリと「OK」と言い、何と荷物を詰め込みたいだけの私たちにカンファレンスルームを貸してくれた。本当に何て親切なんだろう!
 時間はまだまだあるし、かなり疲れもたまっていた私たちは、思う存分スーツケースや荷物を広げ、ゆっくりと片付けを始めた。好意で貸してもらった部屋にも関わらず、かなりゆっくりとそこでくつろいでしまった。30分はいただろうか。「そろそろ行こうか。」の声に重くなった腰をあげ、かなり重くなったスーツケースを引きずり、ロビーへ出て行く。最後にガンジーをバックに記念撮影を行い、いよいよ空港へ向かう事に。ボーイさんが、タクシーのトランクへスーツケースを入れてくれる。あまりの重さにボーイさんの顔は苦しそうに歪み、そして、よろめいていた。ごめんなさい・・・。しかも、トランクに3つのスーツケースがなかなか収まらず、タクシーの運転手さんとボーイさんが苦労して何とか積み込んでくれた。さぁ出発だ。ベルジャヤパレスのみなさん、本当にお世話になりました!
 空港で夕飯を取るつもりだった私たちは早々にチェックインを済ませ、空港内へ入ろうとすると、「この便の方はまだ入れません。」と言われてしまった。「何時に入れますか?」と尋ねると、「23時です。」との返事。思ってもみなかった事態にたじろぐ私たち。しかも両替も終わってしまい、マレーシアリンギットを日本円に換えることもできなくなってしまった。1万円分以上ものお金が優に残っている。日本で換える事もできないし・・・。日が暮れたとは言えかなり暑く、お腹は空き、周りには何もない・・・。途方に暮れる私たちの目に入るのは、ドアが開いていて暑そうな喫茶店と、今日、すでに2回行っているケンタッキーと、マレーシア料理レストランの看板のみ。とりあえずお腹を満たせて涼みたかった私たちは、このマレーシア料理レストランへ行ってみようと階段を上がって行った。「ラーメンっぽいの食べてなかったですしね。楽しみー。」なんて気持ちを盛り上げて行くと何だか嫌な予感がした。何だか静けさが漂っている・・・。そして嫌な予感通り、レストランは閉まっていた。「あぁ〜。」と落胆した私たちは再び下へ下りて行き、結局ケンタッキーで夕飯を取る事にした。本日3度目のケンタッキー。
 ケンタッキーの中はかろうじて涼しかった。そして、本日3度目とは言え、やはりおいしいものはおいしい。3人で人間ウォッチングをしつつ、疲れと、眠さと、暑さのせいでボーっとしながら23時を待つ。焼けた肌が熱を持っているため体が火照り、そのうえ動く度に洋服が擦れて痛い。
 22時30分、様子を窺ってみると中へ入れそうなので空港内へ入る。そして、日本円に換える事ができなかった大量のお金で、買い忘れたおみやげや必要な物を買おうと、おみやげさんを見て回る。そうこうしているうちに搭乗時刻がやってきた。



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