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〜ダイスケに捧ぐ〜
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散歩
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どこの家の犬もたいていそうだと思うけど、ダイスケは散歩が大好きだった。(ちなみに、ラブは大嫌い。)「散歩?行く?行く?」と言うと大興奮して、鼻を鳴らして小屋の中でぐるぐる回ってたっけ。ダイスケは、風や空気のニオイを嗅ぐように鼻っ面を少し上に向け、楽しそうに歩く。私より少し前を歩いている時は、振り向き、振り向き、私がいるのを確認しつつ歩く。綱で繋がってるんだから大丈夫だよ。それとも、「嬉しいよ。楽しいよ。」そう伝えたくて、振り向き、振り向き、歩いてたのかな。
散歩中、色んな犬と出会う。ダイスケは相手にどんなに吠えられても、それが小さい相手なら見向きもしない。だけど、ライバルになるような犬には吠え立てる。そうなるとちょっと大変。私は力の限り、ダイスケを引っ張っていかないとならない。その点はちょっと、おバカさんだったね(笑)。
ダイスケにも、行きたい散歩道があった。その道沿いには大抵、ダイスケがライバルと見なした犬が住んでいるのだ。1度、ダイスケの行きたいままに散歩したら、色んな所で、「うぉぉぉぉんっ!」と吠え立てられ、ダイスケもまた、「うぉぉぉぉんっ!」とやり返すので大変だった。なので私も容易には、ダイスケのライバルがいる道は通らない。でも、ダイスケもそう簡単にはあきらめない。十字路などで、「イヤだ!こっちがいい!」とダダをこね、座り込んでしまうのだ。「ダメ!行くよっ。」といくら綱を引っ張っても、ダイスケも必死になって踏ん張っている。でも、「じゃぁ、知らない。バイバイ。」と言って背中を向けてしまったり、どこかに綱を引っ掛けて離れて行くと、「うわー!置いてかないでー!」と、慌てて立ち上がり、がしっと抱きついてくる。そしてそのまま、抱きついた状態で歩くのである。「ダイスケー、痛いよー。離れてー。」なんて言いつつ、まんざらじゃなかったりする(笑)。
ダイスケはボール遊びも大好きだった。グランドで遠くにボールを投げてあげると、嬉しそうに駆けて行ってくわえてきた。だんだん飽きてきて投げてあげないと、「早く投げてよ。」と、催促してくるくらい好きだった。最初の頃は、ダイスケも加減が分からず、ボールを追いかけて行っては勢いよく前足で急ブレーキをかけて止まっていた。そんなある日、散歩から帰り、お風呂場でいつものように足を洗おうと水をかけると、「キャンっ!」と、痛そうな声をあげた。びっくりして足の裏を見てみると、肉球がめくれて血がでていた。何度も滑り込んで急ブレーキをかけていたので、肉球がめくれてしまったようである。キレイに洗って薬を塗ってあげたものの、ダイスケも痛い事に気づいてしまったらしく(それまでは気づいてなかったみたい。笑)、小屋の中でも痛そうにして大人しくしていた。それからは加減を覚えたようで、もう2度と、肉球がめくれることはなかった。こうやって色々覚えていくんだもんね。仕方ない、仕方ない(笑)。
同じくグランドでの出来事。ここでは綱を外して好きに走らせてあげるもんだから、ダイスケも嬉しくってものすごい勢いで走り回る。しばらく遊ばせてそろそろ帰ろうと思い立ち、「ダイスケー。帰るよー。」と、ダイスケを呼んだ。すると、興奮し過ぎていたダイスケは嬉しさのあまり、勢いを落とさぬまま私に飛び掛ってきた。ダイスケ的には、「腕の中へジャーンプ。」くらいの気持ちだったんだろうけど、当然支えきれるわけがなく、私は背中からグランドに倒れた。ものすごく痛くて、「ダイスケっ!!」と大声で怒った。するとダイスケは「しまった。」という顔をして、そのまま小さくなってションボリとしていた。そこから家までも、私の後ろをトボトボ歩いて。全身から、「反省してます。」オーラが出ていた(笑)。ま、これもね、こうやって色々覚えていくんだもんね。仕方ない、仕方ない(笑)。
1度でいいから、ダイスケを海や川に連れて行ってあげたかった。きっと、大喜びで泳ぎ回ったんだろうな。ダイスケの泳ぐ姿を見てみたかった。そして、こんなにも大好きだった散歩、もっともっと、連れて行ってあげれば良かったと思う。ダイスケの散歩は父親の日課になってたけど、私ももっと沢山、ダイスケと歩きたかった。
散歩が好きなのかって?そりゃぁ、大好きですよ。
そんなの、聞くまでもないでしょ?
愚問ですよ、愚問。