++HOME++PROFILE++DIARY++TRIP++


富士山登頂日記


 8月25日16時半。西国分寺駅でチイに拾ってもらい、そのまま国立インターへ。

 だんだん富士山に近づくにつれ、高速道路から富士山を望めるようになってきた。思わず、「おぉ〜。」と興奮。これからあれに登るのか。河口湖インターで高速道路を降り、須走口登山道へ向け、富士の裾野を走って行く。だいぶ暗くなった頃、目の前に富士山が立ちはだかる須走口に到着。標高約2000m。駐車場に車を停める。・・・ゴミだらけ。どうしてここにゴミを捨てて行くんだろう。チイとぶーぶー文句を言い合う。何か、がっかりしちゃうじゃん・・・。



登る前にパチリ。夜景モードで撮ったらボケちゃった。

 まずは、高所順応も兼ねて腹ごしらえ。山小屋でキノコピラフ(700円)を食べる。うどんとか、さっぱりした物にしようかと思ったけど体力つけないと・・・。朝は食べなかったし、お昼も納豆ご飯だけだからなー。とりあえず、もぐもぐもぐ。ついでに持参したVAAMを、チイと1つずつ飲む。おしっ!これで体脂肪は燃やされるっ(笑)!ご飯も食べたしオッケー!が、ちょっぴり体力・体調の不安。前日は、伊豆・初島でスキューバダイビング。23日の夜は、一度波の音が気になってしまったらほとんど寝付けず(3時ごろからは漁師さんたちの声が聞こえてくるし・・・)、昨夜も1時過ぎに寝て、今朝はやることがあったので5時半起床。そして、今夜は徹夜で山登り。結構、寝不足だったり疲れていたりするのです。大丈夫かなぁ〜・・・。(^-^;) 

 この山小屋で、杖(900円)を購入。杖がある方が楽らしいし、各山小屋で焼印を押してもらえるらしい。記念、記念。山小屋には下ってきたばかりの外人さん数名。これから登り出す私たちに興味津々のようで、「これから登るの?」みたいなことを言ってくる。そして、「大変だよ〜。」みたいなことを言って笑ってる。私たちも笑う。「ガンバッテ〜」の声援を受けながら、「バイバーイ!」。さすが、インターナショナルな山だ(笑)。



買った時にすでに押されている焼印。

 山小屋の前まで山小屋のおじさんが出て来てくれる。「懐中電灯は持ってる?カッパは持ってる?雨が降ってきたら、とにかく近くの山小屋に入りなさい。寒くなってから着込んでもダメだからね。とにかく体は冷やさないように。」などなど、チェックやらアドバイスを頂く。まるで子供に言い聞かせるようだったので、「私たち、頼りないのかなぁ。」とチイが言い、2人で笑う。おじさんの、「はい、行ってらっしゃい。」に「行ってきまーす。」で答え、Tシャツ・長袖シャツ・ジャージズボン・首にタオルという出で立ちで、19時50分、いざ出陣。



この笑顔、いつまで続くかな〜。行ってきまーす!

 須走口登山道は最初、樹林帯の中を行く。いきなり真っ暗でビビる。暗い、暗いとは言っても、それなりなんじゃないかなぁ、なんて思っていた私。なぜならば。暗いと思っていたキナバル山が真っ暗ではなく、結局は懐中電灯なしでも登れてしまったから。なので、頭につける懐中電灯の準備が間に合わなくても、何とかなるかな、なんて気楽に考えていた。だけどやっぱり、懐中電灯は頭につけれる物の方がいいかな。それしにても、懐中電灯で足元を照らしながら歩くと、結構、目が疲れる。そもそも、ここ数日間の睡眠時間が少なく、目が疲れているわけで・・・。でも暗い分、星がキレイ♪富士山のふもとに広がる街明かりもキレイだし、見上げる夜空には満天の星。火星なんて、デカデカとオレンジ色に光り輝いている。火星が地球に大接近するのは27日。こんな時に富士山に登ったのはさらに良かったかも。6万年に1度の大接近でしょう?うわーーー♪

 星もキレイに見えるし、街明かりもキレイに見下ろせる。いい天気の証拠。・・・カミナリが光ってるのが気になるけど。とにかく水を飲み飲み、ゆっくり登る。座って休んで体が冷えてしまうと辛くなるので、立ったまま水を飲んでは進む。ホントは、あんまり水は飲まない方がいいのかもしれないけど(飲まないのも良くないだろうけど。)、ちょっとばかし、前日に潜ったことを気にしておりまして。ま、潜ってからまる1日経ってるから問題ないんだろうけど。ただ、寝不足で体調は万全とは言えないし、一応、意識して水分を取ってみたりなんかしつつ・・・。


※ ダイビング中には体に圧力がかかり、窒素が体内に多く溶け込みます。それを放出するため、浮上の際、安全停止というものを行います。窒素が放出されきらないと血管や細胞の中に気泡ができていまい、減圧症という症状を引き起こします。減圧症を引き起こす原因として、疲労・脱水症状・ダイビング中と前後のハードな運動・寒さ・体調不良などがあり、また、ダイビング後に高所を移動する(飛行機に乗る、車で山道を走る、など。)のは危険とされています。ダイビング後、最低でも12時間(24時間と書いてあるものも。)は飛行機(高度2400m)に乗ってはいけないのです。減圧症防止に、水分を取ることは必要だそうです。

 1時間くらいで山小屋が見えてきた。ここが本五合目。山小屋が開いているので、焼印(200円)を押してもらうことに。中に入ると薄っすら暖かい。焼印は火鉢のような物にくべてあったけど、杖に焦げ目がつけられるほどの熱さにはなっていなかったようで、炭を増やしたり、チャッカマンで火をつけようとするがなかなか思うようにいかないらしい。「ちっ。」と何度も舌打ちしながら熱していた。今にも怒られそうでドキドキドキ・・・。でも、とても親切なおじさんだった。怒られなくて良かった・・・。
 

本五合目の焼印。まだまだ元気。
 本五合目の山小屋で少し体が冷えてしまい、寒くなってきたので腰に巻いていたジャージを着る。だんだん星が見えなくなってきた。雲がかかったり、霧が出てきたり。相変わらずカミナリは光ってるし。かと思うと、スッキリ晴れて、キレイな星空が見えたり。どうか、雨が降りませんように。

 六合目に着き、山小屋のおじさんに焼印をやってるか聞くと、やってないと言われた。小屋の前にあるベンチに、女の人が3人。写真を撮りあったりして楽しそう。お願いして写真を撮ってもらう。すると小屋の窓が開き、「中で寝てる人がいるから静かに!」と、おじさんに注意された。静かに、静かに。


ちょっと寒くなってきたけど、まだまだ水もおいしい。
 六合目を過ぎると樹林帯も終わり、気づけば冷たい風が吹き荒れ始めた。さ、寒い・・・。砂が舞い上がり目に入る。うぅっ、目が痛ーーい!!七合目でトイレ(100円)に駆け込み、痛くてどうしようもなかったコンタクトレンズを外す。メガネも持ってきてて良かった〜。そして、寒さ対策。ウインドブレーカーを着て、帽子を被り、さらにウインドブレーカーの帽子を被り、風に飛ばされないようキツク締め、手には軍手を。それでも寒いよぅ。ここから先は、突風との戦い。水分も取りたいと思わなくなってきた。

 頂上から吹き降ろしてくる風に向かって登らなければならない。どんどん霧は出てくるし、小石は飛んでくるし、口の中は砂でザラザラ。とにかく足元だけ見て登って行くから、何回か道を外れてしまった。その度にどちらかが気づいて、「あ、そっちじゃないみたい。」って道を修正したり、どう見ても道じゃないようなところまで行ってから、「あれ?」なんて立ち止まったり。そのうえ、杖を持っているからか荷物が重いのか、右肩に激痛が走り始める。痛いよぅ。寒いよぅ。本七合目では、「肩が痛い〜。」とぐったり。が、体が冷える前に出発。


寒いです。寒いです・・・。
 暗いうえ、風を避けるように顔を下に向け足元ばかり見て登っているので、自分がどんな所を登っているのかよく分からない。ただ、もくもくと登って行く。真後ろからぴったり足音が聞こえてくるのでチイだと思っていた。なので、しばらく振り向きもせず登っていた。ふと、振り返ってみたら知らない人2人。「あれ?」とびっくり。チイ、ごめん〜。

 八合目で一休み。とにかく肩が痛くて仕方ないので、バックパックを下ろしたい。突風が吹き荒れてて寒いけど、帽子も脱ぎたい。寒いけど、あぁ、開放感。うっすら頭が痛いような、重たいような。



とりあえず、記念撮影だけはしとかないと。

 登るのも辛いけど、何が辛いって、上から吹き降ろしてくる突風と寒さ。砂埃で喉はガラガラするし、唇は乾燥しちゃうし。ズボンの左ポケットに飴とリップを入れ、飴をなめたりリップを塗ったりしながら登る。右ポケットにはデジカメをそのままボーンと。落としたら壊れるな、とか、この砂埃でおかしくなるかも、なんて思いつつ、いちいちバックパックから出すのも大変なので、ついつい。やっぱり、ウエストポーチみたいのが必要だった。
※ デジカメの調子が悪いです。電源入れても、何かがひっかかってるような感じで、きちんと開かなかったりします。やっぱり、この時の砂埃のせいだと思われます。あうー。
 本八合目の山小屋は開いていて、焼印(200円)を押してくれるというのでお願いする。本五合目の時のように、山小屋の中へ入れてもらえると思ったら、ピシャリとドアを閉められた。仕方なく、突風が吹き荒れる外でしばし待つ。入り口には大きな入れ物があり、キンキンに冷えてそうな水の中に沢山の飲み物が浸かっていて、より一層、寒くしてくれる。あぁ、中はあったかそうだよぅ。

 

本八合目の焼印。霧も沢山出てて、あぁ、寒い・・・。

 この辺りから河口湖口から登って来た人たちと合流して混雑するような話しを聞いていたけど、平日だからか、ちょっと人が増えた程度。一瞬、道を間違え、下山道の方へ行ってしまった。「下るなんてこと、あるかな?」と2人で立ち止まって振り返ってみると、誰かがこっちをじっと見てた。きっと、「そっちじゃないよ〜。」って思ってくれてたんだろうな。登山道に戻り、次の山小屋を目指す。九合目!?と思ったら、八合五勺だった。

 

元気は元気なんだけど。・・・格好なんて気にしてらんない。

 いつになったら九合目に着くんだー!と思って登り続ける。ようやく何かが見えてきて、「九合目?」と思ったら頂上だった(笑)。思わず拍子抜けして笑ってしまう。途中、白い鳥居があって人が立ち止まったり写真を撮ってたんだけど、疲れてたし、寒かったし、早く九合目の山小屋に着きたかったので、立ち止まりもしないで登ってきた。でも、その鳥居の所が九合目だったらしい。九合目には山小屋はないんだね。



頂上だー!でも、後ろの碑、これじゃ何だか分からない(笑)。


 午前3時30分、登頂成功ー♪日本一の山、富士山の頂上に辿り着いたことに感動したいところだけど、寒くて寒くてそれどころじゃない。少しでも風が来ない場所を探して小さくなる。日の出までこんな中待つのかと思ったら気が遠くなりそう・・・。何なんだ、この突風・・・。歯はガタガタ震えるし、肩には激痛走ってるし、目は腫れぼったいし。だけど、なぜだか足にはあんまりきてなくて。なので、そういう意味では元気。

 山小屋はまだ準備中で入れず、とにかく寒さと突風に耐える。4時になり、山小屋OPEN。みんな、暖を求めて雪崩れ込む。ぎっしり詰め込まれ、お店の人が順番にメニューを読み上げる。「みそラーメン(800円)の人!」「はい!」と何本もの手が挙がる。それをお店の人が数えて、出来上がったらまた、「みそラーメンの人!」「はい!」で、お金と交換。そんなやり方なので、後から来た人に先に出ちゃったりもしてたみたい。中には、お店の人に何か文句を言ったのか、「あぁっ?出てけっ!」と追い出されてた。怖いよー。

 ラーメンと言っても、ほとんど具なしのインスタントラーメン。だけど、暖まれば何でもいーのよ、ホント。山小屋の中とは言っても、入り口フルオープン。寒いっす・・・。突風が吹き荒れれば、小屋の中に砂がぶわ〜っと舞い込むし。はい、砂入りラーメンできあがり。ま、今さらそんなのも気にならない。とっくに口の中、砂でザラザラザラ・・・。
 ずいぶん外が明るくなってきたので外へ。突風と寒さに耐えながら、御来光の瞬間を待つ。曇って見えないことや、雨が降ってしまうことを心配していたけど、5時5分、無事、御来光〜♪オレンジ色の強い光が広がっていく。眼下には、朝日に照らされる山中湖。この感動はやっぱり、登ってみないと味わえないね!サイコーです♪突然誰かの掛け声で、何でだか、みんなでバンザイ三唱。が、不参加の私たち(笑)。感動したけど、寒いです。死にそうです。ちょっと、初日の出を見てるような気持ち。お正月の早朝も、死にそうに寒いからね・・・。さっさと山小屋へゴー。とん汁(800円)くださーい!・・・当然ですが、富士山の物価は高いです。


感動の御来光。いいもん、見ました。
 ずばり、富士山の本当の頂上はここではない。剣ヶ峰まで行かないと、3776mという高さまで登ったことにならない。というわけで、火口の周りを回るお鉢廻りをするつもりだったのだけど、あまりの寒さと突風に断念。台風みたいなんだもん。風に向かって歩いてる人たちが、突風が吹く度にくるっと背中を向け、風に飛ばされないように踏ん張る。みんな一斉に同じ行動を取るのはちょっと面白い。だけど、お鉢巡りとなったら話しは別。小石がバチバチ飛んでくるし、万が一、火口に落ちたら大変。ここまで来て3776mという高さまで行かないのは悔しいけど、正直、寒くて早く降りたかった。なので、東北奥宮(久須志神社)で焼印(300円)を押してもらい、6時、寒さと突風から脱出するべく、下山開始。


頂上の焼印。・・・ゴンゴン叩かれたから、焼印じゃないかな?
 キナバル山でさんざんな目に遭った下山。かなりビビってたけど、意外や意外、砂利を滑り降りて行くのはなかなかいいようで。とにかく爪が死ぬのだけは避けたかったので、かかとからザーザー滑り降りて行った。さすがに、2時間半近く、ひたすらそれだとヒザもガクガクし始めるけど・・・。でも、慣れてくるとちょっと面白い。スケートみたい。でも、疲労と、調子に乗った結果、2回ほどしりもちついたけど(笑)。そして、ものすごい砂埃なので、喉がガラガラ。

 砂走りが終わると、最後に、樹林帯の中へと下山道は続く。樹林帯の中へ突入する前に一休み。砂埃でガラガラになった喉を潤す。売店のおじさんが、「あと2km。3、40分くらいかかりますよ〜。」と言っている。さぁ、出発。さんざん砂の上を滑り降りてきた足で、カックン、カックンしながら進んで行く。「ここ、前は川だったのかなぁ?」なんて言いたくなるような道。木の根っこはいっぱい出てるし。

 9時、無事に下山終了!頑張った!!それにしてもまぁ、砂埃でまっくろけ。山小屋の人たちが、「おかえりなさーい。」とお茶を出してくれる。「お土産見てってね。」って事なのかな。ちらっとだけ見て、駐車場へ向かう。何気に、ここの坂道が辛かったりする。車に乗り込んで、「疲れたねー。お疲れさまー!」と、脱力。終わったー!



最後、駐車場から見た富士山。

 それから車でブーンと、「紅富士の湯」へ行き、ひとっ風呂浴びて帰りました。砂埃で真っ黒になってた体がスッキリ。ジャグジーでボコボコされたり、ぬるめの露天風呂でのほほーんとしたり。あー、気持ちよかった♪

 チイ、運転ありがとー。おつかれさまー!
(2003年9月8日 記)

PREVIOUS


Copyright (C) aico All Rights Reserved.


inserted by FC2 system