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ホーチミン&アンコールワット旅日記
in
ベトナム&カンボジア


INDEX

6月9日(土)
 今日はメコン川クルーズへ行く。今日も早々と朝食を済ませ、7:45にホテルを出てタクシーでシンカフェに向かう。シンカフェの前は大勢の外国人で賑わっていた。タクシーを降り、その賑わいの中へと入って行く。しかし、私たちはちょっと早く着いたようで、まだ別のツアーの人たちがバスに乗り込むところだった。シンカフェのスタッフが忙しそうに走り回っている。スタッフの中には日本人もいる。どうも日本人観光客が時間になっても現れず出発できないでいるらしい。私たちがその日本人でないことを確認すると、ちょっとグチりながらせわしく去って行った。スタッフは本当に大変だ。少しして2人の日本人が走ってきてバスは出発した。するとすぐ、2台のメコン川行きのバスがやってきた。英語のガイドが付くバスと日本語のガイドが付くバスの2台だ。無条件に日本人と日本人以外に分けられる。不服そうな人たちもいる。が、せわしくバスの中へ追いやられ、バスは扉が閉まりきらないうちに出発した。
 バスはメコンデルタ入口の町、ミトーへ向け72kmの道のりをぐんぐん進んでいく。その道中、日本人ガイドのお姉さんが色々な話しをしてくれる。2つのおかしかった話し。1つはベトナム人女性は焼きもち焼きだということ。ベトナムの人はバイクのミラーを‘ナルシスト君’以外は外してしまうそうだ。(ナルシスト君はミラーで自分をちらちら見て自分に酔いしれるらしい。)しかし、これが命取りになることが多いらしい。なぜなら、ベトナム人女性はだんなの行動が怪しい!と思うと、みんなが一丸となって尾行し、現場を取り押さえるそうだ。ミラーさえ付いてれば尾行されている事に気付くのに・・・、というお話し。もう1つは若いカップルのお話し。ベトナムでは結婚前の2人がいちゃいちゃするのはもってのほかだ、みたいな感覚があるそうだ。しかも、おしゃれなカフェでお茶する程のお金もない。だから週末になると、バイクに2人乗りして、行くあてもなく街中をぐるぐる走り回るそうだ。これなら堂々と密着もできるというわけらしい。そんなカップルが沢山、ぐるぐる走り回ってることを想像したらおかしくなってしまった。何だかかわいい。

ベトちゃん・ドクちゃんの入院していた(今も?)病院。
 それから、どうしてシンカフェのツアーがこんなに安いのかを説明してくれた。理由は簡単で、ツアーに付いてる食事が粗末だという事。どこのツアーもメコン川名物‘ライオンフィッシュ’が付いてるのだが、シンカフェのツアーには付いていない。しかし、5〜6人で1匹頼んでシェアした方がうんと安いそうで、興味があればみんなで頼んでみてください、という事だった。そしてお姉さん曰く、本当にお昼が粗末らしい。3分もあれば食べ終わってしまうと言う。だけど、安く行けるのなら食べ物なんて何でもいい。食べられればそれで十分だ。そんな話しを聞いているうちに気が付けば、バスは、ホーチミン市内とは打って変わって私が思い描いていたような田舎道をひた走っている。いい感じだ。やっぱり田舎がいい。そして、バスはあるガソリンスタンドでトイレ休憩のため停車する。虫もいるし、汚らしいし、カギもかからない小さなトイレだ。便座にお尻をつけないように頑張る。しかし、これこそまさに私が思い描き身構えていたベトナムらしさで、ちょっとわくわくする。チイと「汚いね。」なんて言っていると誰かが「ダメ!こんなトイレ入れない。いいや、我慢する。」と言ってるのが聞こえてきて、思わずチイと顔を見合わせ、苦笑する。
 それから行くこと1時間、バスはちょっとした町の中に入ってきた。そして、赤土の細い路地を入って行き、少し広くなった所で停まった。ヌックマムの強烈な臭いが鼻をつく。それもそのはずで、バスが止まったその場所は、ヌックマム工場のまん前だった。そこからほんの少し歩くともうメコン川で、私たちはちょっとした遊覧船のような船(スピードボート?)に乗り込む。川はとにかく広い。湖のようだ。そして、とにかく汚い。まるで大雨が降ったあとのように濁っている。だけど、なんて雄大なんだろう。快晴の青い空と、もくもく湧き上がる白い雲と、まっすぐ空に向かって伸びてく緑濃いやしの木々、そして茶色くなみなみと流れてくメコン川。顔に風を受けながら、どこまでも続くこの川を進んでいく。最高!時々、この茶色く濁った、決して綺麗とは言えないこの川の中で、水遊びをしている人たちを見かける。一瞬ぎょっとするが本当に楽しそうで、この暑い国で水は生活に欠かせない物なんだろうなと思う。

船に乗る前に説明をしてくれるガイドのお姉さん。
 結構来たな、という所で船はある島に着いた。残念な事に、どこがどこの島だったのか分からない。ガイドさんはツアーを予定通り終わらせるためとてもちゃきちゃき話しを進め、しかも早足でどんどん行ってしまう。面白いお姉さんだったけれど、言う事も割とキツイ。お姉さんの側にいないと説明もよく聞こえない。でも、ボーっとしててもお姉さんの後を付いて行けさえすれば問題ない。おととい昨日と、人混みの中、知らない土地で、かなり気を張り続けていたのでちょっと楽である。いいお天気の中、自然に囲まれ、次の事を考える必要もなく、リラックスしながら沢山の木々で日陰になっている小道をのほほんと付いて行く。

船から見る景色。いい気持ち。
 やしの木細工職人の見事な手さきを見学した後、3分で食べ終わってしまうくらい粗末だというお昼の時間になった。5、6人ずつで1テーブルに座り、どのテーブルも名物のエレファントフィッシュを頼む。出て来たエレファントフィッシュを見て、どのテーブルからも歓声があがる。直径30cm位のその名の通り象の耳のようなカラリと揚げられた魚が、お皿に立てられて出て来た。茶色く揚がった体中に、白く丸まったウロコが張り付いている。それを、10歳位の女の子がスプーンとフォークを上手に使って身をほぐし、生春巻きを作ってくれる。お見事!魚の味は、派手な見た目と違って意外に淡白だった。うん、おいしい。でも、周りの人の手はあまり進んでない。私とチイだけがパクパク食べる。そして、どんなに粗末なのかと思っていたご飯は、タイ米に茹でたインゲンと炒めたココナッツ、そして少し濃いめに味が付けられた焼いた鶏肉が載っているものだった。私とチイは「おいしそう!」と喜ぶ。実際おいしかったし、全然粗末だとは思わない。7ドルのツアー料金でこのお昼なら満足なくらいだ。だけど、やっぱり周りの人はほとんど手を付けない。もったいないなぁ、と思う。
 
左:粗末だというご飯  右:メコン川名物エレファントフィッシュ
 食事が終わると、今度は小型モーターボートに乗り換え、次の島へ向かう。さっきと打って変わり、パンフレット等でよく見るような、両側からやしの木が生い茂る細い川を進んでいく。さっきの雄大さも良かったが、これこそ私が想像していたメコン川だ。とても穏やかで気持ちがいい。所々に民家も見える。島に着き、小さな村を見学しつつ蜂蜜養蜂所へ行く。そこでは、現地の人によるギターのような楽器による演奏と歌を聴きながら、蜂蜜レモンティーと蜂蜜酒とフルーツを堪能した。そして気付くと大蛇を抱えた人が現れ、希望者は首に巻いて写真を撮っていいという。ここが日本なら絶対にやろうとは思わなかっただろう。でも、ここはベトナムだ。なんでもチャレンジだ、という事で、チイと2人で並んでヘビを首に巻く。思った以上にズシっと重みが伝わり、首筋がヒンヤリ冷たい。ヘビが動く度、ウロコの感触が伝わってくる。「ぎゃ〜。早く撮ってぇー!」とぎゃーぎゃー騒ぎながら、でも笑顔で写真を撮ってもらう。そして、次の人へ渡す。「ぎゃ〜。」しばらく悲鳴が途切れる事はなかった。
  
やしの木の間をのんびりのんびり進んで、フルーツ食べて、首にヘビをかけ、ギャー。
 次は手漕ぎボートに乗り、また、やしの木が生い茂る穏やかな川を進んでいく。本当にいい気持ちだ。途中、モータボートに乗り換えココナッツキャンディー工場へ行く。やしの実の殻がたくさん転がっていて、甘い匂いが漂っている。奥の部屋では、上半身裸の男の人が汗だくになりながらキャンディーを練っていて、手前の部屋では、水色の作業服と帽子を身に付けた女の人たちが、1個1個キャンディーを包んでいる。そして、色々なキャンディーを試食させてくれる。何だかよく分からない強いお酒も飲まされ、慌てて水を飲む。まずい・・・。ここで少し休憩した後、一番最初に乗った遊覧船のような船で、バスが止まっている所へ戻る。暑さと疲れのせいでみんなウトウトしている。当然、帰りのバスもみんな静かだ。日本人ガイドさんと日本人観光客のみのバスだからこそ、寝ていられるんだろうなと思う。本当はそれも危ないのかな。

 
左:キャンディーを練る部屋。ものすごく暑い。 右:1個1個キャンディーを包んでいる様子。

 ミトーを出発してから2時間後、バスはシンカフェの前に戻って来た。まだ17:30なので私たちはブラブラ買い物しながら歩いてホテルへ戻る事にした。デタム通りにあるお店を見て回った後、小腹が空いてきたので道端にあるスタンドでバインミーを買う。フランスパンに、ハム・レバーペースト・野菜・唐辛子を挟んでヌックマムを振りかけたサンドイッチのうようなものだ。「パンにヌックマム!?」と思うがとてもおいしい。そして、おいしいとは聞いていたけれど、本当にベトナムのパンはおいしい。モチモチした感触がくせになってしまう。

バインミーのスタンド。
 お腹が満たされたところで、とりあえずホテル近くまで戻ることにした。だいぶ薄暗くなってきている。とりあえずベンタイン市場を目指して歩いていく。地図を見ないで、朝タクシーで通ってきた道を思い出しながら歩いて行く。通りにいる人に道を尋ねるが全く通じてない。何だか雰囲気も昨日歩いて来た道とちょっと違う感じがする。ちょっと目つきが怖い。往来の激しい交差点で道路標識を確認して地図を見ると、タクシーで来た道じゃない道にいるうえ、逆方向に来てしまっていた。私たちは引き返し、ファングーラオ通りに向かう。チイが心なしか早足だ。そして、辺りはどんどん暗くなっていく。ファングーラオ通りは人気がなく、いっそう薄暗い。再開発計画工事中のため、道路の片側は鉄の板で囲まれていて寂しい感じである。そういえば、ホアマンはこの辺りをとても怖がっていたし、今日のガイドさんも、再開発地区の辺りは麻薬中毒の人がいたりして危ないから行かないようにと言っていた。「ここのことじゃん!」と今さらながら気付いて急ぎ足になる。そんなとき私が鉄の板を踏んでしまい、大きな音が静かな道路に響き渡る。チイが本当に驚いて「もぉ!」とさらに急ぎ足になる。ごめんよ・・・。
 少し行くとバスターミナルが見えてきて、怪しげな人たちが座り込んでいる。「走るよ。」とダッシュして行く。道を渡りたいが、とにかくすごい量のバイクや車が飛ばしていく。一応横断歩道はあるが、横断歩道の意味なんてなしてない。チイと手をつないで慎重に道を渡って行く。でも、私はどこかのんきで、キョロキョロしながらちいに手を引かれて行く。そして、道の真ん中辺りで前から歩いてくるアメリカ人の女の子と目が合い、「ハイ!」なんてのんきに手を振り合った。道を渡りきると、今度は客待ちシクロの群れがある。やっぱり目つきが違う。ここではさすがに何を言われても無視してずんずん歩いて行く。ようやくベンタイン市場が見えてきた。ここまで来ればもう大丈夫だ。ホっとすると同時に、またまたお店に吸い込まれていく。チイがワンピースを買い、ご飯を食べに行くことにして外に出るとものすごいスコールが始まった。みるみるうちに道路が川になる。じっと待つことのできない私たちは、100円ショップで買っておいたカッパを着て、川に姿を変えた道路をじゃぶじゃぶ歩いて行く。
 このままご飯を食べに行こうかとも思ったが、結局1度ホテルに戻ることにした。荷物を置いて着替え、フォーを食べにドンコイ通りへ出た。ベトナム最後の夜なので、やっぱりフォーは食べておきたかった。フォーが食べれる「クール」というお店を見つけて入って行く。ほとんど人がいない。「しまった。はずした?」と思ったが、料理が出てくるのは遅かったものの、おいしかった。お米から作られている麺もスープもおいしい。そして、お好みで入れられるように付いてくる沢山のもやしと、名前は分からないが香草を沢山入れて食べる。何かしらの料理にこの香草は付いてきた。最初、ちょっとくせのある葉っぱだと思ったが、慣れてくるとなかなかおいしい。つい、もったいないと思って沢山入れてしまい、しまいには葉っぱを食べているような気分になってしまった。ココナッツアイスもベトナムコーヒーも本当においしい。大満足。ベトナム最後の夜の食事を十分楽しんだ後、ホテルへ戻った。
 
左が牛肉、右が鶏肉のフォー。
 お風呂に入った後、「せっかくだから」という事で、チイはワンピースを、私はチャイナドレスを着て写真を撮ることにした。でも、部屋の中では狭いような気がする。時刻は24:00を回っている。多分、もう誰も廊下に出て来ないだろうと決めつけ、廊下で写真を撮る事にした。順番に撮り合ったり、チイが持ってきていた三脚を立てて2人で撮ったりした。サングラスをかけてみたり、色んなポーズを取ったりして、しまいには、イスまで廊下に引っ張り出してしまった。撮りながらおかしくておかしくて、必死で笑いをこらえていた。全くバカな2人だ。本当に誰にも見られなくて良かったと思う。だけど、本当にいい思い出だ!

夜中に廊下でこんなバカなポーズを撮りまくる私たち・・・。

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