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ボルネオ島旅日記
in
マレーシア


INDEX

3月16日(土)
 朝6時起床。昨日と変わらない朝食を食べ、マリウスとの約束の時間にロビーへ下りて行く。フロントでチケットのリコンファームを依頼し、マリウスが来るのを待つ。すると、ホテルのスタッフが、「マリウスが外で待ってるよ。」と言いに来てくれたので外へ出て行くと、白い帽子に白いシャツのさわやかなマリウスがいた。さわやかな笑顔で「グッモーニング!」。私たちはマリウスの車に乗り込む。その様子を、ドアの陰からマリウスのお母さんのような人が(お母さんではないと思うけれど・・・)、温かい見守るような笑顔で見ている。その現場を見逃さなかった私たちは、何だかおかしくて笑い合う。
 ボートに乗るためボート乗り場へ向かう。マリウスはホテルやショッピングセンターなどの前を通る度に、「あれは何々だよ。」と、簡単に説明をしてくれる。フィリーピーノマーケットを少し過ぎた所にボート乗り場があり、その奥に駐車場がある。そこに車を停め、ボートに乗るための受付をし、イスに座って出発の時間を待つ。時間になったのかボートの準備ができたのか、とにかく促されるままにボートへ乗り込む。ボートには、私たちともう1組のお客さんが乗り、全員にライフジャケットが配られた。全員がライフジャケットを着終わると、ボートは海上を滑り出した。私たちが目指すサピ島は、大小5つの島があるトゥンク・アブドゥル・ラーマン公園の島の1つで、一番海岸が綺麗で、シュノーケリングするのに最適な島とのことである。どんな綺麗な海が待っているんだろうと期待に胸を躍らせる。
 思った以上にボートはスピードを上げ、ぐんぐん進んで行く。顔に受ける風がとても気持ちいい。ボートが進んで行く方向にいくつかの島が見え、マリウスにそれぞれの島の名前を聞いてみる。が、マリウスはど忘れしてしまったようで、2人いるボートの運転手の1人、ファイザーに尋ねていた。何だかおかしい。
 出発してから20分位で、まず、マヌカン島に到着。ここで、もう1組の人たちがボートを降りて行った。ボートから透き通った海を覗くと、沢山の魚が泳いでいる。これを見て黙っていられるわけがない。「うわぁ〜〜〜〜!」と絶叫した後、かなり興奮状態に陥ってしまった私。サピ島でのシュノーケリングが本当に楽しみになってきた。

ボートから見たマヌカン島。
 再びボートはサピ島目指して進み始めた。前方に、木々がこんもりと茂った島と、白い砂浜と、エメラルドグリーンの海が見えてきた。まだ時間が早いのか、人もほとんどいないようである。まるで私たちの貸切のようで嬉しくなってくる。海を覗けば透き通った海水に沢山の魚たち。さっそく激写。とにかく嬉しくて落ち着いていられない。本当にここはパラダイスー!
  
まるで貸切のような静かで美しい島、サピ島。
 
 島へ入るのにお金を払い、ファイザーとマリウスの後についてどんどん歩いて行く。見れば見るほど海が綺麗で嬉しくなってくる。空は青く、周りには沢山の木々。本当に気持ちがいい。私たちが波打ち際に行ってはしゃいでいる間に、ファイザーがシュノーケリングの用意をしてくれた。さっそく私たちは水着に着替え、シュノーケリングを始める事にした。まだ、ほとんど人もいない透き通った海に入って行く。なぜかマリウスは着替えもせずに、荷物を置いたテーブルに座ったままだ。「いいのかな?」とちょっと心配するが、まぁ、とりあえず・・・。
 さっそく海水に顔を付け、魚を求めて泳ぎ出してみる。海は綺麗だし、海水の冷たさもちょうどいい。が、シュノーケリングセットにはフィンがセットされていなかったため、なかなか前に進む事ができない。そのうえ、どうも口の中に海水が入ってくる。そして、ライフジャケットも今ひとつフィットせず、何だか泳ぎにくい。それに、桟橋付近で見かけたような魚の群れはなく、「魚だ〜!」と感動するほどではなかった。それでも、水中カメラを片手に、綺麗な魚や群れを見つけては興奮して追いかけて行く。

何とか撮れた魚たち。もっと沢山見れるかと思っていたので、ちょっと残念・・・。
 気付くと、見知らぬ誰かが私の腕をつかみ、「あっちに魚がいっぱいいるよ。」と引っ張っている。この人の足にはフィンが付いているので、楽々進んで行く事ができる。が、この人は一体誰だろう?一瞬不審に思うが、魚が沢山いる所へ連れて行ってくれるし、ユキコさん、アキコさんを探してみると、みんなも誰かと一緒に泳いでいたので大して気にもせず、引っ張られるがままに付いて行った。おかげで色々な魚を見る事ができたし、楽に進んで行く事ができた。けれど、何だかどんどんみんなから離れて行くような気がする。そこで初めて、「・・・この人変かも。」と不審に思い始めた。それに、ライフジャケットがどんどん上へ上がってきてしまい、本来、命を守る為のライフジャケットのせいで溺れそうな感じになってきたので、とりあえずアキコさんの方へ寄って行った。

カメラ目線(?)のお魚ちゃん。
 アキコさんはファイザーと一緒で、ちょうどファイザーが拾った紫色のヒトデを持っていたので、私も持たせてもらった。それから、同じくライフジャケットで溺れそうになっていたアキコさんと一緒に休憩をする事にし、砂浜の方へ戻って行った。ユキコさんは「もう少し泳いでる。」と、やっぱり見知らぬ誰かと泳いでいた。後で聞いたら、やっぱりちょっと怪しかったらしい。サピ島へ行かれる方は(サピ島だけではないと思うけれど・・・)、どうぞお気を付け下さい・・・。
 私たちが砂浜の近くの浅瀬まで来ると、やっとマリウスも海へ入ってきた。すると今度はファイザーが大きなクラゲを拾ってきた。4人で順番に持って騒いでいると、カリフォルニアからやって来たという親子がやって来た。3人の子供にも順番に渡し、一緒に写真を撮ったりした。その間、カリフォルニアパパはせっせとビデオを撮っていた。

クラゲをとても嫌がっていた一番年下の男の子。
ママのお腹の上でニッコリ。大きな水中メガネがかわいい。
 それからアキコさんと一緒に桟橋の向こう側のビーチへ行ってみる事にした。こちら側のビーチもまた綺麗で、少し深めのせいなのか、ダイビングの練習をしている人たちもいた。しばらくこちら側のビーチで貝を拾ったりしながらのんびりしていると、まずマリウスが、それからユキコさんがやってきて、4人で遊んでいた。それから元の場所に戻り海へ入って行くと、アキコさんの足に何かが刺さってしまった。岸にあがってよく見てみると、茶色い何かが刺さっている。毛抜きや安全ピンで何とか取り出そうとするがなかなか取れない。アキコさん自ら針で引っ張り出そうとしてみたり、海の男(?)ファイザーが取り出そうとしたりするうち、少し残ってはいるようだったが、何とかその茶色い物体を取り除く事ができた。すると、アキコさんはまた海の中へ入って行く。それを見たファイザーは、「She is brave!」と感動。さすがアキコさん。その後、ファイザーが今度はウニを拾ってきた。どうもアキコさんの足に刺さったのは、このウニの針の先だったようである。

真っ青な海と空に、真っ白な雲。本当に気持ちがいい。
 お腹が空いたのでお昼にする事にした。サピ島には何も売っていないと聞いていたが、おみやげ屋さんの裏でハンバーガーを売っていたので、今日のお昼はハンバーガー。注文をして待っている間、木にサルがいるのを発見。よく見ようと木の下まで行ってみるが、上の方にいるのでなかなかよく見る事ができない。でも、サルがいるという事が嬉しくて、しばらくウロウロしてからマリウスの所へ戻って行った。すると今度はイグアナ?大トカゲ?が歩いて来た。大興奮の私たちは、カメラを手にし走り寄る。するとイグアナ?大トカゲ?はのそのそと、でも、イグアナ?大トカゲ?なりに素早くきびすを返し、逃げて行こうと必死で歩き出した。「おぉ〜。」と見ていると、その向こう側を数匹のサルが走って行った。本当にここは自然の宝庫だ!

お昼はここで、一休み。
 お腹が満たされた後は、再び海の中でリラックス。浅瀬で座り込んだりゴロゴロしたりしながら、ユキコさん、アキコさん、マリウス、ファイザーと5人で、日本語やマレー語を教えっこしたりしながらのんびりと気持ちのいい午後を過ごしていた。それからマリウスとファイザーに、「マヌカン島にも行ってみる?」と誘われ、せっかくなので行ってみることにした。
  
午後になると潮が満ちてきて、太陽の光の加減か海の色も濃くなり、いっそう綺麗。
 マヌカン島に着くと、サピ島よりも桟橋付近に魚が沢山いる。それを見て感動しながら桟橋を歩いて行く。島の入口まで来たとき、マリウスに、「マヌカン島に入りたい?」と聞かれた。当然入るつもりでいた私たちはちょっとびっくりしながら、「うん。」と言うと、「OK」とは言うものの、何だかかなりぐったりしているようであった。そんなマリウスを気の毒にも思い3人で心配もしたのだが、せっかく来たんだから、と海の中へ入って行った。後から来たファイザーもかなりぐったりしていて、まだ海に入って行く私たちを呆れた感じで見ていた。
   
サピ島には劣る(?)マヌカン島。だけど、やっぱり綺麗。
 マヌカン島の海も綺麗なのだが、先にサピ島へ行ってしまった私たちにはイマイチで、とりあえず波打ち際で3人でゴロゴロしながら遊んでいた。しばらくしてファイザーが、「もう帰るよ。」と言いに来たので、シャワーを浴びて帰る支度をした。その間にマリウスがいなくなってしまい、「どこに行ったんだろう?」とボートへ戻るため歩いていると、「ここで働いてる友達の所へ行ってた。」と、マリウスが戻ってきた。
 強い日差しが照りつける中、ボートは行き以上に早いスピードで、白いしぶきをあげながらコタキナバル市内へ戻って行った。たまにボートがものすごく傾き、そのうち転覆するんじゃないかとさえ思う程だったが、とても気持ち良かった。ボートを降りるといつのまにかマリウスの友達がいる。肌をじりじり焦がすような強い日差しに、「暑い、暑い・・・」と言いながら、途中でファイザーと別れ、マリウスの車へ戻って来た。マリウスの友達も一緒だ。簡単に自己紹介をし、息が出来ない位暑い車内へ乗り込んだ。
 市内のバスターミナルでその友達は降りて行った。そこからホテルまでは近く、「今日1日のお礼に、マリウスにご飯でもおごろう。」と、ホテルの坂を上がって行く途中、「夕飯、一緒に食べない?」と誘ってみた。するとマリウスは少し考えてから、「OK。じゃぁ、20時に迎えに来る。」と言い、ロビー前で降ろしてくれた。ロビーに入ると今日はとても混んでいて、今日はきちんと部屋番号を言い終わるまでルームキーは出てこなかった。
 部屋に戻った私たちは順番にシャワーを浴びた。思っていた以上に体中が日に焼けていて痛い。そして、なぜかおでこの半分上だけが日に焼けてしまった私。ショックだー。そして、シャワーを浴びた後、アキコさんが持って来てくれたお菓子をつまみながら、マリウスとの約束の時間までのんびりくつろいでいた。
 そして今日もまた、ジェームスから電話がかかってくるのだった。今日はユキコさんが電話に出て、ジェームスの電話攻撃の犠牲となる・・・。
 時間になりロビーでマリウスを待っていると、1人の男の人がやってきて、「マリウスを待ってる?」と聞かれた。また、ホテルの誰かが呼びに来てくれたのかな、と思って付いて出て行くと、マリウスと誰かが運転席と助手席に座って待っていた。そして、私たちを呼びに来たその人も車に乗り込んだ。どうやらマリウスは友達を連れて来たようである。車内で簡単に自己紹介をする。助手席に座っているのがスカイ、25歳。ロッククライミングを教えているそうだ。私たちを呼びに来たのがシレー、マリウスと同じく26歳。今はマレーシアの首都、クアラルンプールで働いていて、今日はこっちに帰って来ていたのだそう。
 マリウスに連れられ、海沿いにある大きな屋台街へやってきた。車を降り3人で、「友達の分まではおごれないよね。もう、おごらなくていいか。」と話し、マリウスへのお礼はやめる事にした。どんどん奥まで歩いて行き、海の真横の席までやってきた。と、突然、サンダルを履いていた私の足に「ちくっ」っと感じる物があり、思わず「痛いっ。」と声をあげた。一瞬みんなが「え?」と私を見る。すると、それに続いてユキコさんもアキコさんも「痛いっ。」と言い出した。どんどんチクチクしてくる。何だか訳が分からず、「痛いっ、痛いっ。」とじたばたし、慌てて海沿いの石の上に登った。席に着いてからもいつまでも続くチクチク感がたまらず、「チクチクする〜。」と言い続けていると、マレーシアの人の耳には「チクチク」という表現がおかしいらしく、マリウスたちは「チクチク。」と真似しては笑っていた。どうもアリに噛まれたようだ。しかも、その後は何ヶ所も蚊に食われ、痒くて痒くてたまらない。くぅ〜〜〜。
 夕飯メニューは、私たちの希望を言いつつ、マリウスに決めてもらった。マレーシア風焼き鳥サテ・焼き魚・野菜炒め・そして、辛くて酸っぱいスープ、トムヤムクン。まずサテが出され、私たち3人はパクパク食べ始める。が、マリウスたちはなかなか食べようとしない。何だかみんな遠慮しているような感じで「?」と思ったが、しばらくすると食べ始めたので、そんなに気にもしないでいた。魚が出されるとスカイが食べやすく身をほぐしてくれる。ユキコさんが取り分けてくれたトムヤムクンも、さらにシレーが注ぎ足してくれる。何だかずいぶんよくしてくれるなぁ、と思っていたら、最後、お会計の時、当たり前のようにマリウスが、「お金はあそこで払うんだよ。」という態度で、当然のように私たちがお金を払うことになっていた。確かにたいした額ではないし、元々はおごるつもりでいたけれど、何だかマリウスにがっかり。そもそも、友達には何て言って誘ってきたのだろう。何だか腑に落ちないまま、「これからどこ行きたい?カラオケ?バー?ディスコ?」というマリウスの質問に、「うーん・・・。」と曖昧な返事をする。
 結局、タンジュン・アルというビーチへ行くことになった。夜なのに(夜だから?)大勢の人で賑わっていて、駐車場がいっぱいだった。停められずにぐるっと回って戻ってくると、うまい具合に1台分空いていたので、そこに車を停め、ビーチへ歩いて行った。目の前には真っ暗な海が広がり、綺麗な星空があった。空と海の境が分からないような感じで、まるでプラネタリウムのように丸く感じた。「地球って丸いんだな。」と、再確認すると同時に感動。それからスカイに、「南十字星って知ってる?」と聞くと「知ってる。」と言うので、「見える?」と聞くと、明るいいくつかの星を指して「あれだよ。」と言う。けれど、スカイが指し示す星の中にはオリオン座の星も混じっていて、「うそー。」と信じきれない私だったが、納得した事にする。

スカイ、マリウス、シレー@タンジュン・アル
 それからみんなでブラブラ歩いて行くと、海の中で何かを捕まえている人たちがいた。1組目は魚を取っているようで、よく見ると、光った魚がぴょんぴょんと暗い海の中で跳ねていた。思わず「すごーい!」と声をあげる。2組目はカニか何かを取っているのか、何か挟むような物をガシャガシャ言わせながら捕まえていた。ガシャガシャという音がいつまでも暗闇の中で響いていて、何だかとても気になった。
 しばらく行くと白いカニが歩いていた。それをシレーが捕まえ、いきなりハサミをもぎ取った。びっくりした私は何の為にそんな事をしたのか一瞬考えられず、「食べるの?」と聞いたら「ノー!」と笑っていた。あぁ、挟まれないようにもぎ取ったのね・・・。それから、今度はアキコさんが白いカニを捕まえた。手に載せて「かわいー。」と言っている。次にユキコさんも手に載せて、「かわいー。」と言っている。次に私も手に載せてもらったのだが、私の手の平でカシャカシャ足を動かしまくるカニを見ていたら突然怖くなり、思わずカニを投げてしまった。でも、みんなから見たら「投げた」のではなく、「投げつけた」としか見えなかったようで、一瞬みんなが引いていた・・・。
 それからまたのんびり歩きながら車へ戻り、ホテルへ帰ることにした。帰りの車中、みんなの盛り上げ役のようなシレーが歌を唄ったり、「何か日本の歌を唄って。」と言われて3人で困ったり、恥ずかしがり屋のスカイをからっかたりして大笑いしているうちにホテルに着いた。マリウス・シレー・スカイの3人に別れを告げ、部屋に戻って行った。私たちはマリウスの話しで持ちきりだった。いい人だと思っていたのに、夕飯時、当たり前のようにお金を出させられた事でがっかりしてしまったのである。そんな話しをしている時、突然電話が鳴った。ユキコさんが出ると、それはスカイからだった。もし明日何かあったら電話して、という内容だったのだが、どうも、明日は遠く離れたおばあちゃんちに行くと言っていたマリウスも一緒らしいのだ。ますます私たちは、「マリウスは何なんだ。」という事になった。「きっとスカイに電話させたんだよ。だって、マリウスしか車持ってないし。」という事になり、その夜、いい人のハズだったマリウスの評価はがくっと下がってしまった。あぁ、マリウスよ・・・。


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